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一偏
「一偏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一偏の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「神社合祀に関する意見」より 著者:南方熊楠
軍のために自国をも売るべし。要するに人民の愛国心を滅却するのはなはだしきは、我利
一偏の神職、官公吏の合祀の遣り方なり。今も日高郡などは、一村に指定神社の外の社を....
「職工と微笑」より 著者:松永延造
ねいかい。それで、釜と蓋との間から、蒸気が噴き出して来てな。その力で他のネジも皆
一偏に頭がモゲて、パーンと云うと思うと、もう工場中は湯気で真白に曇っちゃったんだ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
羽織も捨て、短い脇差も捨て、長い脇差を腰にぶちこみながら歩くというだけにも、武道
一偏の世の中になって来たことがわかる。幕府に召し出されて幅をきかせている剣術師な....
「姑と嫁について」より 著者:与謝野晶子
理解することの出来るようにと思うからである。夫婦、親子、朋友の愛も初めの中は感情
一偏の愛であるが、少し年齢が長けて行った後に誠実と知性との理解が伴わない愛は危い....
「新女大学」より 著者:福沢諭吉
三従と称し、幼にして父母に従い、嫁して夫に従い、老して子に従うと言うが如き、徳義
一偏より言えば或は不可なきが如くなれども、定めなき世の心波情海を渡らんとするには....
「自警録」より 著者:新渡戸稲造
我々は友人中に時々新しき事実を発見して驚くことがある。たとえば無骨《ぶこつ》
一偏の人と思った者にして、案外にも美音を発して追分《おいわけ》を唄《うた》う、こ....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
、多数に無勢、一般の挙動はかくのごとくにして、局外より眺むるときは、ただこれ攘夷
一偏の壮士輩と認めざるを得ず。然らば幕府の内情は如何というに攘夷論の盛なるは当時....
「学者安心論」より 著者:福沢諭吉
ること、はなはだ難《かた》し。家厳《かげん》が力をつくして育し得たる令息は、篤実
一偏、ただ命《めい》これしたがう、この子は未だ鳥目《ちょうもく》の勘定だも知らず....
「学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
なわんとするの一事のみ。鷲《わし》に等しき旦那の眼力もそれまでには及び兼ね、律儀
一偏の忠助と思いのほかに、駆落《かけお》ちかまたは頓死のその跡にて帳面を改むれば....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
行が剣のみを研いても、それを治国の道に生かすことを知らず、また、社会ばなれな武骨
一偏になってしまい易いことも当然である――と武蔵は思った。 武蔵は、百姓の業は....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
氏の腹を読んでいてくれるかどうか、ではあった。 いやそこは心もとない。 律義
一偏だ。今夜も観ているに、正成とは、ものごとの表裏を余り疑わない人間らしい。王政....