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「一働き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

一働きの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
仇討禁止令」より 著者:菊池寛
ゃ。徳川将軍家より、四国の探題として大録を頂いている当藩が、将軍家が危急の場合に一働きしないで、何とするか。もはや問答無益じゃ。この頼母の申すことに御同意の方々....
乱世」より 著者:菊池寛
にはしたくなかったからである。 「有様は、関東へ下って、慶喜公の麾下に加わって、一働きいたそうとの所存と見え申す」 市左衛門は、格之介逃亡の理由を、こう説明し....
蟹工船」より 著者:小林多喜二
に引きあげられた。川崎は身体を空でゆすりながら、雫をバジャバジャ甲板に落した。「一働きをしてきた」そんな大様な態度で、釣り上がって行く川崎を見ながら、監督が、 ....
寛永武道鑑」より 著者:直木三十五
宿泊と、立札でも建てて、もし、池田の者でも、斬込んだなら、よし、討たれるにせよ、一働き働いて死ぬなら武名は、後世に残るが、此奴には、その覚悟がない」 「死ぬより....
永遠のみどり」より 著者:原民喜
翌朝、彼が縁側でぼんやり佇《たたず》んでいると、畑のなかを、朝餉《あさげ》の一働きに、肥桶《こえおけ》を担《かつ》いでゆく兄の姿が見かけられた。今、彼のすぐ....
黄金虫」より 著者:佐々木直次郎
。夜はだんだん更《ふ》けて来るし、夜明け前になにもかもみんな家へ持ってゆくには、一働きする必要があったのだ。が、どうしたらいいかなかなかわからず、考えるのにずい....
雪たたき」より 著者:幸田露伴
はただ頭を下げて無言に恩を謝するのみであった。 「ただナ、惜いことは其時そちが今一働きして呉れていたら十二分だったものを。其様に深くは、望む方が無理じゃが。あれ....
日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
る。常識のメフィスト自身が、そこでこのカイザーとゲーゲン・カイザーとの間に処して一働きしなければならない。常識水準は階級的対立に従って分裂対立する。知識―科学に....
社会時評」より 著者:戸坂潤
会を開くことを余儀なくさせた。政党も之でどうやら活気づくだろうが、それだけ軍部も一働きしなければならぬ秋が意外に早く来たわけだ。 こういう条件が与えられている....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
とおっしゃれば、こんなヤワな細工をおっぺしょって娑婆《しゃば》へ飛び出して、もう一働きも、二働きも、罪を作るのは朝飯前でございますが――何を言うにも、もう四十の....
五右衛門と新左」より 著者:国枝史郎
素敵に愉快な日がつづいた。 或る時常陸がこんなことを云った。 「五右衛門、一働き働いてくれ」 「よかろう、何んでも云い付けるがいい」 「伏見の城へ忍んでく....
頭蓋骨の秘密」より 著者:小酒井不木
た。 私たちも九時までに藤屋デパートへ行くべく準備しました。 「兄さん、今日は一働きしてもらうよ」 「何だい?」 「このあいだの夜、ここへ来た泥棒を捕まえるの....
不在地主」より 著者:小林多喜二
去ってしまった生涯が思いかえされる。――こんな「北海道」に住むとは思わなかった。一働きをして、金を拵えたら、内地へもどって、安楽に暮らそう、まア、二三年もいて―....
三国志」より 著者:吉川英治
徳の推察は過っていない。実に黄忠はその通りな気もちで、わずか十騎をつれて、敵中に一働きして見せんと、途中、味方の夷陵の陣地を通った。 馮習、張南が、見かけて、....
木綿以前の事」より 著者:柳田国男
それで食事をアガリとは謂い始めたのである。朝上りという語は通例の朝飯以前にすでに一働き働いていた痕跡にほかならぬ。多くの農家ではその朝仕事に就くために、別に起き....