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「一儀〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

一儀の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
苦しそうにこう云った。「が、身ども息のある内に、先生を御見かけ申し、何分願いたい一儀がござる。御聞き届け下さりょうか。」蘭袋は快く頷《うなず》いた。すると甚太夫....
恩を返す話」より 著者:菊池寛
ら死を予想した。前途の短いのを知ってからは、是非|為《な》さなければならぬ報恩の一儀が、いよいよ心を悩ました。 ところが、時はついに到来した。この年三月二十六....
忠直卿行状記」より 著者:菊池寛
無用じゃ。今日の真槍の仕合は、忠直六十七万石の家国に易《か》えてもと、思い立った一儀じゃ。止めだて一切無用じゃ」と、忠直卿は凜然といい放った。そこには秋霜のごと....
仇討三態」より 著者:菊池寛
」と、絶叫していた。 幸田とよ女をよんで、初めて父の横死の子細を語って、仇討の一儀を誓わしめたというのであった。貞節悲壮な母子に対する賞賛は、江戸の隅々にまで....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
仕ったゆえ、直参旗本早乙女主水之介、松平の御前の御諚によって、とくと、承わりたい一儀がござる。島津殿、お墨付にござるぞ。乗物棄てさっしゃい」 「………」 「なぜ....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
田正守は言葉も鄭重に誘いました。 「貴殿の胆力に惚れてのことじゃ。お力を借りたい一儀がおじゃる。あちらへお越し召さらぬか」 「ほほう、ちと急に雲行がまた変りまし....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
に取紛れて碌々読まなかったが、と取出して慰み半分に繰披き、なに/\「予て申合せ候一儀大半成就致し候え共、絹と木綿の綾は取悪き物ゆえ今晩の内に引裂き、其の代りに此....
白くれない」より 著者:夢野久作
と立佇まれば慌しく四隣を見まはし、鮮やかなる和語に声を秘めつゝ、御頼み申上げ度き一儀あり。枉げて吾が寝泊りする処まで御足労賜はりてむやと、ひたすらに三拝九拝する....
平凡」より 著者:二葉亭四迷
か、其処を一つ考えて貰いたい。 理窟は扨《さて》置いて、この面舐《かおな》めの一儀が済むと、ポチも漸《やッ》と是で気が済んだという形で、また庭先をうろうろし出....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
「それは一応聞えたが、それまでには及ぶまいにな。生きて戻ったものならば、わしも一儀なく、この屋敷を明渡してよろしいが、主人が死んでしまっている上は、主人とはい....
十二支考」より 著者:南方熊楠
烏摩后その故を問うと、某《それがし》ヴィシュヌを念ずるに一心にして妻がいかにかの一儀を勤むるも顧みず「川霧に宇治の橋姫朝な/\浮きてや空に物思ふ頃」ほかにいいの....
東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
、金一緡を持参におよび、色紙三十六枚に和歌を書いてくれと所望した。しかるに実隆は一儀に及ばずこれを承諾し、一盞を勧めてもてなした。これによって察するにこの神余な....
正雪の遺書」より 著者:国枝史郎
思召し下されい……さてそこでご貴殿のご器量と、ご名声とにお縋りしてお頼み致したい一儀がござるが、お聞き届け下されようや? ――と藪から棒に申してはご返答にもお困....
備前天一坊」より 著者:江見水蔭
くだけは聴いておけと。 「半田屋九兵衛、宿屋稼業は致して居りますれど、他聞を憚る一儀ならば、決して口外致しませぬ」 「好し。それでは申し聴かせるが……他に立聞き....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
おりましたので、大方そうとお察し申しました。」と、采女もほほえんだ。「して、かの一儀は術よう整いましたか。門口での立ち話、くわしいことは判りませなんだが、かの兼....