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一儲け
「一儲け〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一儲けの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あらくれ」より 著者:徳田秋声
だって? へえ。そしてそれを何《なん》にするの」
「高尚な翫具を拵《こさ》えて、
一儲けしようってんですがね……この小《ちいさ》いのが水雷艇《すいらいてい》です」....
「さようなら」より 著者:田中英光
手を送るほど、自分たちの戦争で受けた傷に無意識な日本人は、それだけに第三次大戦で
一儲けの悪逆な妄想を抱いたり、政府の一長官の神経衰弱による自殺から、国鉄の線路上....
「世相」より 著者:織田作之助
渡せんちゅう訳でがしてね、スゴスゴ戻って来ると、もう夜でがした……」 年の暮の
一儲けをたくらんで簡単に狸算用になってしまったかと聴けば、さすがに気の毒だったが....
「青服の男」より 著者:甲賀三郎
な」 「えゝ、変っていますとも。そうかと思うと、アメリカから女サーカスを招聘して
一儲けするんだから資金を貸せだの、困ってる劇団があるから、金を出してやれだの――....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
や墓地でも引張って来て少しは電鉄沿線の景気をつけると共に、買った敷地を売りつけて
一儲けする、此は京王の考としてさもありそうな話である。田舎はもとより金が無い。比....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
、私は想像する。それに、もうそういう場合には、頭の比較的悪い中流以上の子弟で以て
一儲けしようというような、営利中等学校は存在出来まい。――つまり、今日の良い学校....
「現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
のである。こうして新聞紙が略々一定ののことに過ぎない。――新聞紙も人間と同じに、
一儲けするには一般に人品が立派でなければならぬ、だが、乞食商売をするには風体をき....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
積極的で進取の気象を作興するに適したものは、二つの「特殊の株式会社」を設立して、
一儲けしながら同時に東北の人民どもを救済してやろうというところの、前の二件である....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ばかり見ている当世人にはわからないから、いっそ、こっちが上手《うわて》を行って、
一儲けをして見せてやって、それからのことだ。そこがそれ、小人は利にさとるとかなん....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
とも、誘拐しでなくて何だ! あやめの阿魔を誘拐して、彼女の持っている秘密を奪い、
一儲けしようとするのだろう! ……が、そうならお気の毒だ! 彼女はそんな秘密など....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
は呟いたが、そのまま鼓を膝へ置くと、眉をひそめて考えこんだ。「千代田城の大奥へ、
一儲けしようと忍び込み、この鼓を調べたとき、ちょうどこんなような音がしたが、名に....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
しても、まだ、十日、二十日は命がござりましょう。その間に、御奉公の納め仕舞、もう
一儲けしておいて、さようならを致す所存、先刻申し上げました処置方のいろいろに就き....
「勧善懲悪」より 著者:織田作之助
のには、一層あきれてしまった。 何が社会奉仕なもんか。いってみれば、施灸巡業で
一儲けしようというだけの話じゃないか。一里八銭の俥よりも、三里の灸銭の方がぼろい....
「真珠塔の秘密」より 著者:甲賀三郎
、やがて観念した如く話し出したのは次の如くであった。彼はマッカレーに近づいて何か
一儲けをしようとして居ると、マッカレーが真珠塔が欲しいと云うので之幸と、模造品を....
「俗臭」より 著者:織田作之助
の間に、五円の資本が山分けして八倍になり、もうこの婆さんさえしっかり掴えて居れば
一儲け出来ると、腰が抜けそうにだるいという婆さんの足腰を温泉で揉んでやったり、晩....