一元[語句情報] »
一元
「一元〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一元の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
」の必然的制約は何らかの意味の媚態である。しからば媚態とは何であるか。媚態とは、
一元的の自己が自己に対して異性を措定《そてい》し、自己と異性との間に可能的関係を....
「富士」より 著者:岡本かの子
いでさせ給うた神のなりものによって純粋の神を餐《あえ》まつることのよしを仲立に、
一元に敏《と》く貫くいのちの力により物心両様の中核を一つに披《ひら》いて、神の世....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
は社会自身の意志に反して絶えず進歩し創造しつつあるから。 私が私自身になり切る
一元の生活、それを私は久しく憧れていた。私は今その神殿に徐ろに進みよったように思....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
したものへ持って結び付けることは浅はかだと思います。なぜなら、その本質はどこ迄も
一元より更に基本性を帯びた根元の人間感覚では、空虚という絶対感に滅入してしまうよ....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
をやるかときくと、食えないからやるのだ、と答えたりした。 六カ月も、七カ月も、
一元の給料さえ、兵卒に支払わない、その督弁の張宗昌は、城門附近で、自動車から、あ....
「魔法修行者」より 著者:幸田露伴
ではあり、多勢ではあり、案内は熟く知っていたので、忽に淀の城を攻落し、与二は兄を
一元寺で詰腹切らせてしまった。その功で与二は兄の跡に代って守護代となった。 阿....
「可能性の文学」より 著者:織田作之助
場人物と作者の距離は、映画のカメラアングルのように動いて、眼と手は互いに裏切り、
一元描写や造形美術的な秩序からますます遠ざかるものであると考えていた。小説にはい....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
て置いたのである。 ファラデーの研究した大方針は天然の種々の力の区別を撤廃して
一元に帰させようというのである。 それゆえファラデーが喜んだのは、永久ガスが普....
「赤坂城の謀略」より 著者:国枝史郎
ウ。其後海内一ニ帰スルコト三年。※猴ノ如キ者天下ヲ掠ムルコト三十余年。大兇変ジテ
一元ニ帰ス」 それはこういう文字であった。 正成は沈思した。 思いあたるこ....
「夜の構図」より 著者:織田作之助
議論というものは、つねに誇張された一般論になり易いもので、おまけに何らかの意味で
一元論的傾向に陥り易い。複雑を複雑のまま語ることは、議論ではむずかしいのだ。 ....
「明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
ての実在に関する見解は、だいたい三段階を経て進んできているのである。第一の段階は
一元的表面的の実在論と名づけたならばよかろうと思う。これは現象そのものをそのまま....
「妖怪学」より 著者:井上円了
非妖怪も、みなこれを包有せるをもって、世間普通の種々雑多の妖怪は、妖怪の一分子、
一元素にも足らざるものなり。果たしてしからば、その大妖怪はなにものなるや。狐か狸....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
伊」点において起こるところの興奮は、次第に相伝えて「波」に達す。これを神経組織の
一元素とす。しかれども、高等動物および人類の神経組織は、かくのごとき単純なるもの....
「味覚馬鹿」より 著者:北大路魯山人
の料理をも滅亡に導いてしまったのである。 * 家庭の料理、実質料理、
一元料理、そこにはなんらの思惑がはさまれていない。ありのままの料理。それは素人の....
「文化線の低下」より 著者:小川未明
、自分自身の行くべき道すら見失うものであります。 人生の進路も、生活の形態も、
一元的に決定することはできないであろう。故に、一つの主義が勃興すれば、それと対蹠....