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「一元的〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

一元的の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
」の必然的制約は何らかの意味の媚態である。しからば媚態とは何であるか。媚態とは、一元的の自己が自己に対して異性を措定《そてい》し、自己と異性との間に可能的関係を....
教育と文芸」より 著者:夏目漱石
たものであるが今は一面に孝があれば他面に不孝があるものとしてやって行く。即ち昔は一元的、今は二元的である、すべて孝で貫き忠で貫く事はできぬ。これは想像の結果であ....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
ら、それを体験した人は必ず人間の意志の絶対自由を経験したに違いない。本能の生活は一元的であってそれを牽制すべき何等の対象もない。それはそれ自身の必然な意志によっ....
映画芸術」より 著者:寺田寅彦
めて時間的なリズムに翻訳されるのである。従って律動感の最も本質的なものは時間的に一元的な音響的音楽的律動である。律動的な音は子供でも野蛮人でも自然に踊り出させる....
日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
容的弁証法によるのでは、何故純有が無に対立しそして二つが統一され得ねばならぬかが一元的には理解出来ず、之を理解するにはこの純有と無とを同じく抽象的なものと考えね....
世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
礼というものだ。二元外交とか二重外交とかいうが、現実に公式に攻撃する時には相手は一元的なもののように想定される。そうしないと相手の方で相手にならないからである。....
辞典」より 著者:戸坂潤
自身の信ずる所によれば、カント哲学はカント自身の実践理性の優位という精神に従って一元的に叙述され組織立てられた。この叙述乃至組織の仕方(哲学)がフィヒテの弁証法....
現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
めたのではなくて、軍人各個の随意の意見発表を戒めたものに他ならないが、この軍部の一元的な意図は人の知る通りだから、従って又人は、粛軍という吏道振粛が一つの対外的....
古典竜頭蛇尾」より 著者:太宰治
──ハラガヘッテハ、イクサガデキヌ。ちゃんと形がととのって居る。 思索の形式が一元的であること。すなわち、きっと悟り顔であること。われから惑乱している姿は、た....
科学上における権威の価値と弊害」より 著者:寺田寅彦
深い権威者か二つに一つよりしかないような場合がないとも限らない。このような云わば一元的 one dimensional な権威といえども学修者研究者にとって甚だ....
物理的空間の成立まで」より 著者:戸坂潤
を空間曲率の値Kが零であることとその結合 Connexus が無限 offen(一元的に einfach)であることとに区別する(結合とは例えば空間的形像の面が....
明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
ての実在に関する見解は、だいたい三段階を経て進んできているのである。第一の段階は一元的表面的の実在論と名づけたならばよかろうと思う。これは現象そのものをそのまま....
文化線の低下」より 著者:小川未明
、自分自身の行くべき道すら見失うものであります。 人生の進路も、生活の形態も、一元的に決定することはできないであろう。故に、一つの主義が勃興すれば、それと対蹠....
再び「科学の歴史的社会的制約」に就いて」より 著者:戸坂潤
、苟も科学である以上同一の性質を有つと考えねばならぬ、という心の動き方は、何らか一元的な徹底を意味するかのようである。だが、もしこの主張に止るならば、こう主張し....
認識論としての文芸学」より 著者:戸坂潤
識論が積極的に展開出来るようになったと共に、夫と自然科学に関する認識論との間に、一元的な統一が可能になったのである。従来のブルジョア認識論は単なる判断論理学の延....