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「一先〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

一先の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
十八節と馬可伝《まこでん》の第九章一節とにあると云うベリンググッドの説を挙げて、一先ずペンを止《とど》める事にしようと思う。 (大正六年五月十日)....
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
様は、欠伸《あくび》まじりに御笑いになって、 「おお、大儀。大儀。それで予の腹も一先《ひとまず》癒えたと申すものじゃ。が、とてもの事に、その方どもは、予が車を警....
三つの宝」より 著者:芥川竜之介
るかも知れない。 主人 (なだめるように)まあ、あなたなどは御年若なのですから、一先御父様の御国へお帰りなさい。いくらあなたが騒いで見たところが、とても黒ん坊の....
伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
ず唇の戦くまで、不義ではあるが思う同士。目を見交したばかりで、かねて算した通り、一先ず姿を隠したが、心の闇より暗かった押入の中が、こう物色の出来得るは、さては目....
婦系図」より 著者:泉鏡花
にその理想の、道義上完美にして非難すべき点の無いのを説くこと数千言。約半日にして一先ず日暮前に立帰った。ざっと半日居たけれども、飯時を避けるなぞは、さすがに馴れ....
紅玉」より 著者:泉鏡花
入れておく相談にはなるまいかな。何分にも空腹だ。 二の烏 御同然に夜食前よ。俺も一先に心付いてはいるが、その人間はまだ食頃にはならぬと思う。念のために、面を見ろ....
春昼後刻」より 著者:泉鏡花
の欲しかったらしい美女に辞して、袂を分ったが、獅子の飛ぶのに足の続くわけはない。一先ず帰宅して寝転ぼうと思ったのであるが、久能谷を離れて街道を見ると、人の瀬を造....
」より 著者:犬田卯
らわなければ、家が立ち行かなかった。食う口を減らすと同時に十五円の入金――それが一先ず勇の叔父のつとめていた会社へ当人を出してやった一つの理由だったのだ。 が....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
た頃の秘話(?)を始めてきかしてくれ、なつかしくなること一通りでない。 ◯高橋栄一先生夫妻、モーニングに、奥さまは狐の襟巻というりゅうとしたる姿にて年賀に来て下....
科学者と夜店商人」より 著者:海野十三
ないと、一層暑さが身にこたえるようだ。家へ帰っても今から寝るわけにも行かないが、一先ず帰宅をしようと思って十日ぶりに我家(とは名ばかりの郊外の下宿の一室)へ首を....
火星探険」より 著者:海野十三
まず、その申出に待機することとなった。 こうして地球と宇宙艇との通信さわぎは、一先《ひとま》ず治まり、無電員も楽になった。 デニー博士は会議の席へ戻った。そ....
火星兵団」より 著者:海野十三
トは、完全にとけ終りたり」 怪人丸木は、それを聞いて、 「ふん、そうか。それで一先ず片づいた。火星まで行かれてたまるものか」 と、安心した。 しかし、安心....
時限爆弾奇譚」より 著者:海野十三
対シ警告ヲ発スル次第ナリ。抑々今回ノ告白|対象ハ、余ガ数十年以前ニ研究ニ着手シ、一先ズ完成ヲミタル「長期性時限爆弾」ニ関スルモノニシテ、左記ニ列挙シアル十二個ノ....
地獄の使者」より 著者:海野十三
精密なる観察を遂げた。 彼が腰を伸ばして、検事の方へ手を振ったので、彼の検屍が一先ず終ったことが分った。 「検事さん。この先生の死んだのは大体昨夜の十一時から....
白蛇の死」より 著者:海野十三
っている。して見れば時間の点からいって、喜多公は親分の方より嫌疑が薄くなる訳で、一先ず彼も釈放されることになった。 警察では他に誰も容疑者として拘引しておらず....