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「一兵卒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

一兵卒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
火の鳥」より 著者:太宰治
いように育成して、自分の小さいふるさとの、自分のまずしい身内《みうち》の、堅実な一兵卒になって、努めて、それからでなければ、どんな、ささやかな野望でも、現実は、....
自叙伝」より 著者:大杉栄
接しただけで、直接にはまだ会ったことがなかった。しかしこの旗上げには、どうしても一兵卒として参加したいと思った。幸徳の『社会主義神髄』はもう十分に僕の頭を熱しさ....
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
立を見た。中尉は、一個小隊を指揮する力を持っているつもりだった。だが、今、彼は、一兵卒の柿本の銃の前に、一個の生物でしかなかった。ちょうど、一昨日、武器を取り上....
反戦文学論」より 著者:黒島伝治
人の気持や、人道的精神等である。 手近かな例を二三挙げてみる。 田山花袋の「一兵卒」は、日露戦争に、満洲で脚気のために入院した兵卒が、病院の不潔、不衛生粗食....
紀行文家の群れ」より 著者:小島烏水
のも、それが機縁の一つであったことと、信じている。 花袋は、その後「蒲団」や「一兵卒」など自然主義派の見本のような小説を作って、国木田独歩、岩野泡鳴ら同主義の....
新ハムレット」より 著者:太宰治
いたします。ハムレット、立派な将軍振りを見せて下さい。」 ハム。「いいえ、弱い一兵卒になりましょう。僕は、レヤチーズに負けました。ポローニヤスは、どうしていま....
日本脱出記」より 著者:大杉栄
う、胸の略章の一つを指さして見せた。 あとでペチカに聞くと、実際ヘロはヘロで、一兵卒から将官にまでなって、豪勇無双なのだという。が、ペチカの連中は誰もこのヘロ....
」より 著者:黒島伝治
利があるものゝようだった。彼は、――彼とは栗島という男のことだ――、特色のない、一兵卒だった。偽せ札を作り出せるような気の利いた、男ではなかった。自分でも偽せ札....
水鳥亭」より 著者:坂口安吾
なんて、考えちゃおりません。戦争ですから、職域を死守する、私は東京を動きません。一兵卒のつもりです。身辺の家財もうごかしません。死なばもろとも、です。けれども、....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
女の第二十五囘の祝福された誕生日を迎えたばかりであったが、近衛騎兵聯隊の予言者の一兵卒が、ロンドンとウェストミンスター★とを呑み込む手筈が出来ていると言い触らし....
光は影を」より 著者:岸田国士
した。いゝバタでしたわ。あなた、満鉄の方……それとも、特務機関?」 「僕は単なる一兵卒さ。死にぞこないの兵隊さ。もう、そんなことどうでもいゝ。黙つて酒をついでく....
戦争について」より 著者:黒島伝治
ここでは、遠くから戦争を見た場合、或は戦争を上から見下した場合は別とする。 銃をとって、戦闘に参加した一兵卒の立場から戦争のことを書いてみたい。 初めて敵と向いあって、射撃を開始し....
明治の戦争文学」より 著者:黒島伝治
号外」「別天地」等の小説によって看取される。 田山花袋は、日露戦争に従軍して「一兵卒」を書いた。同じ自然主義者でも、花袋は、戦争に対して、独歩とは幾分ちがった....
かもじの美術家」より 著者:神西清
わんのだ。わしは手紙を書いて、お前をすぐさま戦場へ出すように言ってやろう。それも一兵卒としてではなくて、聯隊の軍曹として出陣するようにな。まあ立派にお前の勇気を....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
向の好い方に附こうとしているのだ。 上将軍 間牒に出した、信用の置かれる一兵卒が、 今岩を降りて来ます。旨く遣って来たか知らぬ。 第一の間牒 こ....