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「一分刈〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

一分刈の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
いるから、植木屋を入れた杉垣根の写生としか受け取れない。このほか五分刈、三分刈、一分刈さえあると云う話だから、しまいには頭の裏まで刈り込んでマイナス一分刈、マイ....
二つの庭」より 著者:宮本百合子
沢の家の玄関へ来た三人の青年たちを思いおこさせた。和一郎も松浦も、頭をクリクリの一分刈りにして、古びてよごれが光る制服、制帽でいる。そして、ポケットにろくな小銭....
日本脱出記」より 著者:大杉栄
が、分る筈はない。かつて僕が入獄する数日前、僕のための送別会があった時、僕は頭を一分刈りにして顔を綺麗にそって、すっかり囚人面になって出かけて行った。そして室の....
夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
鐘ばかり……成程、ところで西瓜の一件じゃ。(帽子を脱ぐ、ほとんど剃髪したるごとき一分刈の額を撫でて)や、西瓜と云えば、内に甜瓜でもありますまいか。――茶店でもな....
みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
っかり赫々と、するもんだで、小春さんのいい人で、色男がるくせに、頭髪さ、すべりと一分刈にしている処で、治兵衛坊主、坊主治兵衛だ、なあ、旦那。」 かくと聞けば、....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
たが、それより深いのは、若旦那の方の年紀とも言わない額に刻んだ幾筋かの皺で、短く一分刈かと見える頭は、坊さんのようで、福々しく耳の押立って大いのに、引締った口が....
変な男」より 著者:豊島与志雄
かったが、それでも時々、怪しい風体の者がやって来た。髪を長く伸していたり、または一分刈りに刈り込んでいたり、髯をもじゃもじゃに生やしていたりする、同年配の青年等....
魔都」より 著者:久生十蘭
何とかしてくれ、これじゃア警保局の面目は丸潰れだ」 総監は巨躯を屈《か》がめ、一分刈の丸い顱頂の上を暴風が吹き過ぎるのを待っていたが、大体もう頃合だと思ったか....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
枚開けに立つ。年下の尼さん、また、茶をついでくれる。そのとき、ふと、この尼さんの一分刈りほどな頭を見ると、台所の棚のカドにでも打つけたのか、ちょっと、血がにじん....