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「一切経〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

一切経の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
蘭学事始」より 著者:菊池寛
大体に基づき、合点の行くところを訳せしまでなり。梵訳の四十二章経も、ようやく今の一切経に及べり。これが、翁が、その頃よりの宿志にして企望せしところなり。世に良沢....
死までを語る」より 著者:直木三十五
ない。 妾宅、即ち、木挽町へ二百円(家賃百円、文藝春秋の倶楽部で、その頃は私が一切経費を出していた)、己の所が三百円(家賃は七十五円)、私の小遣、二三百円(交....
十二支考」より 著者:南方熊楠
もつ》れ絡んだ蛇の画を、護符として諸多の災害を避くるは、イタリアに限らず、例せば一切経中に見る火難|除《よ》けの符画も、熟《よく》視《み》るとやはり蛇の画だ。日....
十二支考」より 著者:南方熊楠
遣らず鶏棲窓戸に近きを〉。支那にも鶏に寄せて閨情を叙《の》べたのが少なくない。余一切経を通覧せしも、男女が鶏のつれなさを恨んだインドの記事を一つも見なんだ。欧州....
風流仏」より 著者:幸田露伴
き靴をはき、派手なリボンの飾りまばゆき服を召されたるに値偶せられけるよし。是皆|一切経にもなき一体の風流仏、珠運が刻みたると同じ者の千差万別の化身にして少しも相....
七宝の柱」より 著者:泉鏡花
知れない。尊い文字は、掌に一字ずつ幽に響いた。私は一拝した。 「清衡朝臣の奉供、一切経のうちであります――時価で申しますとな、唯この一巻でも一万円以上であります....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
。 それどころか、お化……なら、お化で、またその人ならその人で、言いたいことが一切経、ありったけの本箱を引くり返したのと、知っただけの言を大絡にしたのが、一斉....
十二支考」より 著者:南方熊楠
大黒天なり、象皮を披《ひら》き横に一槍を把《と》る云々。石橋君がその著八六頁に『一切経|音義《おんぎ》』より文、『諸尊図像鈔』より図を出したのをみるに、日本化し....
学生と先哲」より 著者:倉田百三
によれば、依とある。 それ故に仏の遺言を信じるならば、専ら法華経を明鏡として、一切経の心を知るべきである。したがって法華経の文を開き奉れば、「此法華経」とある....
学生と読書」より 著者:倉田百三
問い」こそ自発的に読書への欲求を促すものである。法然はその「問い」の故に比叡山で一切経をみたびも閲読したのである。 書物は星の数ほどある。しかしかような「問い....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
さんの方は大いに困る次第である。 そこで、例を上げて見ると、鎌倉の鶴ヶ岡八幡に一切経が古くから蔵されていたが、このお経も今度の法令によって八幡の境内には置くこ....
新西遊記」より 著者:久生十蘭
宇治|黄檗山《おうばくさん》の山口智海という二十六歳の学侶が西蔵《チベット》へ行って西蔵訳の大蔵経(一切経または蔵経、仏教の典籍一切を分類編纂したもの)をとって来ようと思いたち、五....
東洋文化史における仏教の地位」より 著者:高楠順次郎
。文典が残るくらいでありますから梵語を教えたということは確かであります。それから一切経の中から歌唱の文句を撰出して音楽の囀(歌詞)とするのは僧正の役で、これを舞....
法然行伝」より 著者:中里介山
進した。学問せんが為の学問でなく、確かに生死を離るべき道を求むるが為に学問した。一切経《いっさいきょう》を披《ひら》き閲《けみ》すること数遍に及び、自宗他宗の書....
獄中通信」より 著者:戸坂潤
の勉強の報告をしておこう。専ら仏教の勉強だ。仏教関係の書物二十五冊以上、内、国訳一切経十四冊(阿含経10、四分律4)、諦観の「天台四教儀」(織田の「和解」による....