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「一別以来〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

一別以来の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
かみ》は事もなげに受け流した。三人はまた声を立てて笑った。 倉地と女将との間に一別以来のうわさ話がしばらくの間《あいだ》取りかわされてから、今度は倉地がまじめ....
非凡なる凡人」より 著者:国木田独歩
自分は自分だけのことをなして、運命に安んじて、そして運命を開拓しつつ進んでゆく。一別以来、正作のなしたことを聞くとじつにこのとおりである。僕は聞いているうちにも....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
。しかもおっしゃったお言葉がまた、何ともかとも言いようがない。 「おう、薩州か。一別以来であった喃」 「ははっ――、いつもながら麗しき御尊顔を拝し奉り、島津修理....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
吉は二人の脱いだ草鞋の紐など結び合わせた。 やがて、奥座敷では主人と寿平次との一別以来の挨拶、半蔵との初対面の挨拶なぞがあった。主人の引き合わせで、幾人の家の....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
だ。和助はどうして父がそんな下町風の家の人たちと親しくするのか何も知らないから、一別以来の話が出たり、飛騨の山の話が出たり、郷里の方の話まで出たりするのをさも不....
竜舌蘭」より 著者:寺田寅彦
流れの菖蒲も雨にしおれている。もうおおぜい客が来ていて母上は一人一人にねんごろに一別以来の辞儀をせられる。自分はその後ろに小さくなって手持ちぶさたでいると、おり....
怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
、 「おや、これは誠に暫らく、これはどうも誠にどうも、どうなすって伴藏さん、先ず一別以来相変らず御機嫌宜しく、どうもマア図らざるところでお目に懸りました、これは....
錦染滝白糸」より 著者:泉鏡花
を直して、下座に来り、無理に白糸を上座に直し、膝を正し、きちんと手をつく。 欣弥一別以来、三年、一千有余日、欣弥、身体、髪膚、食あり生命あるも、一にもって、貴女....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
衛は奥座敷を一つ借り切って、そこで一人で飲んでいると、暫らくして忠作がやって来て一別以来の話になりました。 お絹のことや、がんりきのことが出て、七兵衛はかなり....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
を忘れて読まないわけにはゆきません。あまり長い文句ではありませんでしたけれども、一別以来の大要が書いてありました。そうして今は神尾主膳の許《もと》にまでいて、御....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
居候《いそうろう》をするつもりだ」 そこでお松は兵馬を別間へ案内して、それから一別以来のことを洩《も》れなく語って、泣いたり笑ったりするような水入らずの話に打....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
して六時の会見は、長平のきゝなれない、豪勢らしい料亭が指定されていた。 礼子は一別以来の尋常な挨拶を終ると、放二の方にチラと目をやって、 「こちら、北川さん?....
南国太平記」より 著者:直木三十五
蒲団を用意していたが、挨拶をして、出て行った。 「ここなら、外へ洩れんでいい――一別以来、お変りもなく」 百城は、手をついた。 「貴下様にもお変りもなく。この....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
五月|朔日の朝からその返事を受取りかたがた行きました。 幸いに主人が居りまして一別以来の挨拶を終りますと、ツァ・ルンバのいいますには「どうもダージリンへ行った....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
てて、さらに豪州において再会を得たるは奇遇というべし。一詩を賦してその歓を述ぶ。一別以来已十霜、西天夢跡去茫茫、濠陽今日再相会、依旧喜君心自芳。 (ひとたび別れ....