一刻千秋[語句情報] » 一刻千秋

「一刻千秋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

一刻千秋の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
様だ、此の上は唯二時の鳴るのを待つ外はないであろう、遺憾ながら余は二時を待った、一刻千秋の思いとは此の事であるけれど、終に千秋は経た、二時は鳴った、緑盤は再び動....
四日間」より 著者:ガールシンフセヴォロド・ミハイロヴィチ
掛ろうより、其方が好い。もう好加減に通りそうなもの、何を愚頭々々しているのかと、一刻千秋の思い。死骸の臭気は些も薄らいだではないけれど、それすら忘れていた位。 ....
浮雲」より 著者:二葉亭四迷
点じ、臥《ね》て見たり起きて見たり、立て見たり坐ッて見たりして、今か今かと文三が一刻千秋の思いをして頸《くび》を延ばして待構えていると、頓《やが》て格子戸《こう....
暗黒公使」より 著者:夢野久作
の異常な死方の裏面に隠されている、或る驚くべく、恐るべき秘密を看破して下さるのを一刻千秋の思いで待っていたのです。……私のこの異状な、不自然な、奇抜な死方をもっ....
湯女の魂」より 著者:泉鏡花
また百倍。 怖さは小宮山も同じ事、お雪の背中へ額を着けて、夜の明くるのをただ、一刻千秋の思で待構えまする内に疲れたせいか、我にもあらずそろそろと睡みましたと見....
失策記」より 著者:豊島与志雄
ねない雲行である。とにかく三日間待て、という約束になった。 その三日間を、私は一刻千秋の思いで待ち暮したのだが、期限がくると、先輩はにこにこして私の家へやって....
魔都」より 著者:久生十蘭
廻しでそうあるべき推理の本末をくわしく述べ、課長室に戻って総監の自発的な行動を、一刻千秋の思いで待ち受けていたのである。といっただけでは前々回をお読みにならぬ読....
画工と幽霊」より 著者:岡本綺堂
の怖しい顔がまだ眼の前に彷彿いて、迚も寝られる筈がない、ただ怖い怖いと思いながら一刻千秋の思で其夜を明した。と、斯ういうと、諸君は定めて臆病な奴だ、弱虫だと御嘲....
私本太平記」より 著者:吉川英治
ある千種殿をつれて、頃合いよく出直せい」 「こころえました。――御船のみかども、一刻千秋のおもいで沖に待ち漂うておられましょう。――お館の方でもお抜かりはござい....