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一印
「一印〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一印の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「乞食学生」より 著者:太宰治
こんな見苦しい有様で、初対面のおかたと逢うのは、何より、つらい事です。人間は、第
一印象が大事ですから。」 私たちは、爆笑した。 「ばかばかしい。」佐伯は、障子....
「宇宙女囚第一号」より 著者:海野十三
るのであった。(後で分ったことであるが、その怪物の肢体についている黒斑が、僕の第
一印象のとおり、やはり本当の空電斑点であると分ったときには、さすがの僕も腰がぬけ....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
に描いた叡山の悪僧を目のあたり見るようだった。彼を知っている人は殆ど口を揃えて第
一印象がどうしても悪人としか思えなかったと云う。 尤も醜怪な悪相をしていたから....
「正義と微笑」より 著者:太宰治
、頭にはいらない。寝よう。それが一ばんいいようだ。寝不足の顔で出かけて行って、第
一印象を悪くしては損である。でも、とても眠れそうにもない。外では、工夫の夜業がは....
「新郎」より 著者:太宰治
した。私は常に後悔しています。理由なき不遜の態度。私はいつでもこれあるが為に、第
一印象が悪いのです。いけないことだ。知りつつも、ついうっかりして再び繰返します。....
「生ける人形」より 著者:寺田寅彦
。それが生まれてはじめて芝居というものを見せられたあとで、だれかからその演劇の第
一印象をきかれた時に亀さんはこう答えた。「妙なばんばが出て来て、妙なじんまをずい....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
という殷賑な、そして莫大な田舎町であろう! これが私の組織を電閃し去った正直な第
一印象だった。見わたすところ、家も人も路も権威ある濃灰色の一いろの歴史的凝結にす....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
ルスの顔はいくらか柔和になって、割合いに物凄くなくなって来るのである。こうした第
一印象を受けた人には、この聖都の人々はなんという馬鹿ばかり揃っているのであろうと....
「桂馬の幻想」より 著者:坂口安吾
してきたよ」 野村はシャッポをぬいだ気持であった。 「まったくですよ。彼女は第
一印象や尊大な外観とは反対に、凄みや妖怪的なところは実際はないのですよ。彼女が病....
「役人の頭」より 著者:末弘厳太郎
ようなふしぎな形と線とは理屈なしに私を引きつけたのです。私は今でもなおあの時の第
一印象をありありと思い起こすことができます。 むろん私ごときものがどう思おうと....
「決闘」より 著者:神西清
る鶏足の百姓小舎に似ている。戸口には小さな梯子がかかっている。 一同の受けた第
一印象は、いくらじたばたしてもここからは脱け出せまいという感じだった。どこを向い....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
思われるではないか。 前に言ったようなわけで、芝居というものに対するわたしの第
一印象は余り好くなかった。好くなかったというよりも、芝居というものはどうも判らな....
「審判」より 著者:カフカフランツ
つまり役人は、しょっちゅう、しかも第一番目に訴訟当事者たちと接触する案内係は、第
一印象をよくするために、身なりもスマートでなければならない、と同じように思ってい....
「鮎の食い方」より 著者:北大路魯山人
き上げることは、鮎を味わおうとする者が、見た目で感激し、美味さのほどを想像する第
一印象の楽しみであるから、かなり重要な仕事と考えねばならぬ。だから、一流料理屋に....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
のみ。 や、黒い牛がいる。 私が揺り上げ揺り傾く艀の中から初めて見た敷香の第
一印象は、一頭のその黒い牝牛であった。すぐとっつきの砂浜の一角にぽっつりと彼女は....