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一句
「一句〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一句の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
なんぞ何人殺したって、いいでしょう。」
沙金は、下から次郎の顔を見上げながら、
一句を射た。
「おばばはどうする?」
「死んだら、死んだ時の事だわ。」
次郎は....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
めには、あまりに形式が小さすぎる。だからいかに巧みに詠《よ》みこなしてあっても、
一句一首のうちに表現されたものは、抒情《じょじょう》なり叙景なり、わずかに彼の作....
「路上」より 著者:芥川竜之介
って、
「君は気がつかなかったか、昨夜《ゆうべ》東京駅で遇ったのを。」と、探りの
一句を投げこんで見た。
二十二
「へええ、東京駅で?」
大....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
ようと思うても出仕する事は出来ぬ。されば、」修理はじっと宇左衛門の顔を見ながら、
一句一句、重みを量《はか》るように、「その前に、今一度出仕して、西丸の大御所様(....
「星座」より 著者:有島武郎
。長い手紙であればあるほどその場合の園には便りが多かった。園は念を入れてその一字
一句を読みはじめた。
「皚々《がいがい》たる白雪山川を封じ了んぬ。筆端のおのず....
「野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
民子はあなたにはそむいては居ません。どうぞ不憫と思うてやって下さい……」 一語
一句皆涙で、僕も一時泣きふしてしまった。民子は死ぬのが本望だと云ったか、そういっ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
、なお深く差俯向いて、いささかも室の外を窺う気色は無かったのである。 かくて彼
一句、これ
一句、遠慮なく、やがて静岡に着くまで続けられた。汽車には太く倦じた体で....
「小春の狐」より 著者:泉鏡花
日は暗し、……次第に路を隔てつつ、かくて両方でいのちの限り名を呼び合うのである。
一句、
一句、会話に、声に――がある……がある……! が重る。――私は夜も寝られな....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
の通信機関を使用する、必然の結果である。真理は全体の流れの中に見出すべきで、一字
一句の末に捕えらるれば、到底真理を掴むことはできない。全体と交渉なき局部的の意見....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
、去年の春|行方知れずになった。それを一つ見て貰いたいんだが、――」 日本人は
一句一句、力を入れて言うのです。 「私の主人は香港の日本領事だ。御嬢さんの名は妙....
「取舵」より 著者:泉鏡花
らんのだ。乗合もそれは目出度と言うので、いくらか包んで与る者もあり、即吟で無理に
一句浮べる者もありさ。まあ思い思いに祝ッてやったと思いたまえ。」 例の饒舌先生....
「誓之巻」より 著者:泉鏡花
て低けれど忘れぬ声なり。 「こんなになりました。」 とややありて切なげにいいし
一句にさえ、呼吸は三たびぞ途絶えたる。昼中の日影さして、障子にすきて見ゆるまで、....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
「やがて道端の茶店へ休むと――薄曇りの雲を浴びて背戸の映山紅が真紅だった。つい
一句を認めて、もの優しい茶屋の女房に差出すと、渋茶をくんで飲んでいる馬士が、俺が....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
り降りたるものなり。ゆえに、今に至りて国民一般に天皇を呼びて天の子と称す」という
一句あるを見る。西洋人の日本のことを解する、往々かくのごとき誤謬あるを免れず。ゆ....
「広告」より 著者:伊丹万作
集が出た。署名を『長子』という。 一部を贈られたから早速通読して自分の最も好む
一句を捨つた。すなわち、 冬の水一枝の影も欺かず 草田男に会つたときこの
一句を....