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「一周り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

一周りの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
山羊髯編輯長」より 著者:夢野久作
無ければ停車場に行くに限る。アトは眼と頭だ。それから足だ。 煙草吸い吸い構内を一周りして見ると、新聞記者らしい者の影が一つも見えない。町が小さいのか、新聞社が....
」より 著者:徳田秋声
の素直らしい世帯気に裏切られていた。 お増は、帰りに日比谷公園などを、ぶらぶら一周りして、お濠の水に、日影の薄れかかる時分に、そこから電車に乗った。 「お帰り....
光と風と夢」より 著者:中島敦
で、近在の部落の酋長《しゅうちょう》夫人。母と私とベルと、三人を合せたより、もう一周り大きい・物凄い体躯《たいく》をもっている。)通訳の混血児サレ・テーラー、外....
火星探険」より 著者:海野十三
てきたんだろう)を取付けた。 「さあ、もういいから、これであそこに見える町の中を一周り練って廻り、そしてここへ戻ってくるのだ」 ネッドは、猿の腰掛の上から叫ん....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
瓦《おにがわら》の代りに撞木《しゅもく》のようなものが置いてあります。 土塀を一周り廻った忠作が通りの町家で聞いてみると、これは薩州鹿児島の島津家の門だと知れ....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
、と小松原は投に出て、身動きもしないでいれば、次第に寝台の周囲を廻って、ぐるりと一周りして枕許を通る、と思うと、ぐらぐらと頭を取って仰向けに引落される――はっと....
風立ちぬ」より 著者:堀辰雄
どまざまざと感じた。 午後、私ははじめて谷の小屋を下りて、雪の中に埋まった村を一周りした。夏から秋にかけてしかこの村を知っていない私には、いま一様に雪をかぶっ....
或る男の手記」より 著者:豊島与志雄
現われてきた。池の縁に出た時、私は皮肉に微笑を浮べながら云った。 「これをも一度一周りしようか。」 「厭よ。」 「なぜ?」 「あなたのような……卑劣な人とは。」....
ヴェルダン」より 著者:野上豊一郎
まっていたので、前の茶店に入って遠くから外観を眺めたり、近寄って彫像を数えながら一周りしたりしたきりだった。此の寺は大戦の時にドイツの大砲で上の方がひどく破損し....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
使っていた黒布を、手拭のように腰に挟むと、彼は、大地にはびこっている巨松の根を、一周りぐるりと巡ってあるいた。そしてどこから拾い出したのか、手には、いつのまにか....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
ち去った。 奈良|茶飯か何かへ寄って、まだ少し早い支度をすましてから、観音堂を一周りして、さて、帰ろうかと、雷門から並木の方へブラブラと出てくると、湯女のお勘....