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一命
「一命〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一命の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
われながら、小山のように路を塞《ふさ》いだ家々の屋根の間をくぐって、ようやく危い
一命を拾ったのでございます。幸か、それともまた不幸か、私には何にもわかりませんで....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
大悲の泥烏須如来《デウスにょらい》! 私《わたくし》はリスポアを船出した時から、
一命はあなたに奉って居ります。ですから、どんな難儀に遇《あ》っても、十字架の御威....
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
ぎが絶えてしまうのでございます。そのような不祥がございませんように、どうか茂作の
一命を御守りなすって下さいまし。それも私風情《わたしふぜい》の信心には及ばない事....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
何よりじゃ。」
佐渡守は、吐き出すように、こう云った。
「その儀は、宇左衛門、
一命にかけて、承知仕りました。」
彼は、眼に涙をためながら懇願するように、佐渡....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
手品の鰌が泳いでるんだと、母様がそう云ったっけ。」 め組が聞いたら、立処に汝の
一命|覚束ない、事を云って、けろりとして、 「静岡は口の奢った、旨いものを食う処....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
えられる飛行将校にすらなろうという人の少ない世の中に、荒れても晴れても毎日毎日、
一命を投げてかかって、緊張し切った終日の労働に、玉の緒で炊き上げたような飯を食っ....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
重傷、帰朝して軍医学校に入院、それからなおって又出陣。それから終戦となり、幸いに
一命は全うしたので、東京帝大の経済学部へ入学して目下勉強のところ。同君の父君は元....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
のように抱きました時、あれの父親は白砂に領伏し、波の裙を吸いました。あわれ竜神、
一命も捧げ奉ると、御恩のほどを難有がりましたのでござります。 公子 (微笑す)親....
「宇宙の迷子」より 著者:海野十三
たちは、みんな死滅してしまって跡形もない。川上、山ノ井の二少年だけはさいわいにも
一命を拾った。それは二少年は、ジャンガラ星が地球に接触する三時間前に、落下傘を作....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
曹長は、そのふしぎな魔の空間にすべりこんで、脱出ができないのだと思います。しかし
一命にはさしつかえはないと思う。なにしろそこは地上とあまり変らない気圧気温のとこ....
「怪塔王」より 著者:海野十三
て大胆に、この火消仕事をやりましたので、火だるまと化し、もうすでに危かった部下の
一命をすくうことができました。 急に身のらくになった青江三空曹は、うれしなきに....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
りこんだのか、白状しろ。そいつを白状すれば、このヨコハマ・ジャックさまが、手前の
一命だけは助けてやらあ。さあ、いえ」 ヨコハマ・ジャックとは、あだ名なのであろ....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
人だって、またそうです――あの可恐い面のために気絶をした。私が行かないとそのまま
一命が終ったかも知れない、と言えば、貴下に取って面倒になりますけれども、ただ夢の....
「多神教」より 著者:泉鏡花
嘲り笑う。―― 神職 出来た。――掛ると言えば、身たちも、事件に引掛りじゃ。人の
一命にかかわる事、始末をせねば済まされない。……よくよく深く企んだと見えて――見....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
命題の規則中に、主辞、賓辞を転倒するの過失を証明せり。今、モルモン宗は多妻なりの
一命題を転倒して、多妻なるものはモルモン宗なりということを得るときは、こうもりは....