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一喜一憂
「一喜一憂〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一喜一憂の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「皮膚と心」より 著者:太宰治
さだの、忍従だのも、案外あてにならない贋物《にせもの》で、内実は私も知覚、感触の
一喜一憂だけで、めくらのように生きていたあわれな女だったのだと気附いて、知覚、感....
「人間失格」より 著者:太宰治
に卑屈な誘導|訊問《じんもん》みたいなものをおっかなびっくり試み、内心おろかしく
一喜一憂し、うわべは、やたらにお道化て、そうして、それから、ヨシ子にいまわしい地....
「思い出す事など」より 著者:夏目漱石
を基礎として、その間に微《かす》かな生を営む人間を考えて見ると、吾らごときものの
一喜一憂は無意味と云わんほどに勢力のないという事実に気がつかずにはいられない。 ....
「善の研究」より 著者:西田幾多郎
々の意識は神の意識の一部であって、その統一は神の統一より来るのである。小は我々の
一喜一憂より大は日月星辰の運行に至るまで皆この統一に由らぬものはない。ニュートン....
「東京八景」より 著者:太宰治
日本全国から、ぞろぞろ人が押し寄せ、汗だくで押し合いへし合い、一寸の土地を争って
一喜一憂し、互に嫉視、反目して、雌は雄を呼び、雄は、ただ半狂乱で歩きまわる。頗る....
「廃墟から」より 著者:原民喜
が、嫂や妹などは、近所の誰彼のその後の消息を絶えず何処《どこ》かから寄せ集めて、
一喜一憂していた。 工場では学徒が三名死んでいた。二階がその三人の上に墜落して....
「平凡」より 著者:二葉亭四迷
其頃の私の眼中には試験の外に何物も無《なか》った。試験の為に勉強し、試験の成績に
一喜一憂し、如何《どん》な事でも試験に関係の無い事なら、如何《どう》なとなれと余....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
本的に見れば、受身で相対的で、それによって現われる一つ一つの表情に、実に現象的に
一喜一憂して来たと思う。実にその点では、これまでの自分の生涯に嘗て経験しなかった....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
つけ、あしきにつけ。私もそう子供らしく考えては居りませんから安心して下さいまし、
一喜一憂といううけかたはして居りませんから。
一つの仕事――文学でもそうですが....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
のように思える。それはみんなの眼が母の寝顔に集中して、そのかすかな一つの動きにも
一喜一憂しているからばかりではない。彼はかれ自身で知らない間に、彼自身の心から永....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
にいかなかったようです。ヒダと出羽に風が吹いた、とか、ヒダに慶雲が現れた、とか、
一喜一憂で、(気象台にきかなくたってヒダと出羽にだけ大風が吹くのは妙でしょうが)....
「瘠我慢の説」より 著者:福沢諭吉
ては旧時の惨状《さんじょう》を懐《おも》うて慙愧《ざんき》の念を催《もよ》おし、
一喜一憂一哀一楽、来往《らいおう》常《つね》ならずして身を終るまで円満《えんまん....
「おさなごを発見せよ」より 著者:羽仁もと子
とにも必要です。赤ん坊の感覚は非常に敏感なものです。それ泣いたそれ笑ったと家中が
一喜一憂のうちにさわぎをすれば、赤ん坊もそれにつりこまれて、はじめ泣きだしたほん....
「落日の光景」より 著者:外村繁
しかし私は私の発病以来、病気は医者任せ、運は天任せ、と心に決めた。そうして自分の
一喜一憂を厳しく自戒したはずではないか。私は心の冷静を取り戻すために、静かに目を....
「友情に関係あるエッセイ」より 著者:戸坂潤
れは又それだけに独特な楽しみがあり得ようとも考えている。私は友人の去就に依存して
一喜一憂する方ではない。或る瞬間に友人の性格がガラリと変ったなどと信じ込む一種の....