一回り[語句情報] » 一回り

「一回り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

一回りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
えていったならば、ご禁裏仕えの高貴なお公卿《くげ》さまを小さく縮める器械へかけて一回り小造りに造り直したといったような、変にのどかな感じの人物でしたから、どうい....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
。 余は此の様に思いつつ秀子を家の内へ送り入れた、頓て朝|餐《さん》も済み、又一回り運動して、爾して愈々昨夜(寧ろ今朝)出た幽霊の跡を検めて見る積りで塔の四階....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
五キロメートル)の速度で歩きつづけることのできる人があったとしたら、一年で地球を一回りすることができるというのである。この見積りに従えば、地球の大円周の長さは四....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
て、横浜道へ向かった。番所のあるところから野毛山の下へ出るには、内浦に沿うて岸を一回りせねばならぬ。程ヶ谷からの道がそこへ続いて来ている。野毛には奉行の屋敷があ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
笠なぞに見とれていた。そのうちに、反対な岸の方をも見ようとして、狭い汽船の廊下を一回りして行くと、公使ロセスとオランダ代理公使ブロックとが舷に近く立って話してい....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
芋殻を樽のなかに並べて塩を振る手つきなぞは、お民も慣れたものだ。 母屋の周囲を一回りして来て、おのれの書斎とも寝部屋ともする店座敷の方へ引き返して行こうとした....
」より 著者:島崎藤村
思えないほどの静かさだ。気の早い次郎は出発の時を待ちかねて、住み慣れた家の周囲を一回りして帰って来たくらいだ。 「行ってまいります。」 茶の間の古い時計が九時....
花物語」より 著者:寺田寅彦
、すみのところどころには月見草が咲き乱れていた。その中を踏み散らして広い運動場を一回りするうちに、赤い日影が時計台を染めて賄所の井戸が威勢よくきしり始めるのであ....
写生紀行」より 著者:寺田寅彦
品を見せていた。しかしもう少しいい所をと思って歩いているうちに、とうとうぐるりと一回りして元の公園の入り口へ出てしまった。 入り口の向こう側に妙な細工もののよ....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
むなり、一瞬間立ち止まってあたりを見回している暇に、グリゴリイはいちはやく食卓を一回りして、奥へ通じている、正面の観音開きの扉を閉めきった。そして閉めた扉の前に....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
めなら、フォームなぞいらない。ハーフショットで大急ぎで一直線にタマを押していって一回りしてしまえばいいのだ。 私はいくら人にさそわれても麻雀をやらないのは、麻....
温泉雑記」より 著者:岡本綺堂
で、一週間を一|回りといい、二週間を二回りといい、既に温泉場へゆく以上は、少くも一回りは滞在して来なければ、何のために行ったのだか判らないということになる。二回....
墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
。セントバーナードは見たことがありませんが、この牛犬はまず、グレートデーンをもう一回り大きくして、逞しくしたと思えば間違いありません。 「オシエックというところ....
はつ恋」より 著者:神西清
が、じりじりと胸の中へ忍び込んで来た。わたしは待ち伏せの場所を離れて、庭をぐるり一回りしてみた。まるでわざとのように、ほんの葉ずれほどの音さえ、どこにもしなかっ....
予謀殺人」より 著者:妹尾アキ夫
っていた。この柏の大木に、ペンベリーは特別の注意をはらって、ぐるりとその根もとを一回りしたあとで、そばに鞄とステッキをおいた。ステッキは先が上になるように鞄に立....