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一因
「一因〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一因の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「HUMAN LOST」より 著者:太宰治
医師のはんらんと、小市民の医師の良心に対する盲目的信仰より起った。たしかに重大の
一因である。ヴェルレエヌ氏の施療病院に於ける最後の詩句、「医者をののしる歌。」を....
「虚構の春」より 著者:太宰治
父を死なし、又祖父を連れてくる際の、口論の為、叔父の首をくくらし、また叔父の死の
一因であった従弟《いとこ》の狂気等も原因して居たかも知れません。加えて、兄のソシ....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
――とまでいわれるのに、なぜ|悪魔の尿溜だけには敗退したか? 悪気流か? それも
一因でしょう。 だいたい、悪魔の尿溜の北側は大絶壁になっております。そのうえが....
「東京八景」より 著者:太宰治
で、母にも、兄にも、叔母にも呆れられてしまったという自覚が、私の投身の最も直接な
一因であった。女は死んで、私は生きた。死んだひとの事に就いては、以前に何度も書い....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
て、剣を抛つ可く彼に勧告し、彼を乃木将軍から奪う可く多少の努力をして、彼が悶死の
一因を作ったのと、学習院に於て余の為可かりし演説が某の注意に因り院長たる将軍の言....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
い者は住んでいなかった。(異聞総録) 疫鬼 紹興三十一年、湖州の漁師の呉
一因という男が魚を捕りに出て、新城柵界の河岸に舟をつないでいた。 岸の上には民....
「三斜晶系」より 著者:寺田寅彦
ずっと毎日電線のとんぼのからだの向きを注意して見たが、結局彼らの体向を支配する第
一因子は風であるということになった。地上で人体には感じない程度の風でも巻き煙草に....
「ヤミ論語」より 著者:坂口安吾
られているのである。講談の場は決して正常ではないはずである。 今日の犯罪増加の
一因には、我々の日常生活に残存する講談性にも原因があろうと思う。 男女....
「不良少年とキリスト」より 著者:坂口安吾
だけで死ぬのは例が少い、たいがい虚弱から追いつめられるもので、太宰の場合も肺病が
一因ではないか、という説であった。 芥川も、そうだ。支那で感染した梅毒が、貴族....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
ようなことを数回つゞけたりしたが、これは毎月必ずやらなければならないというムリも
一因している。 私の巷談の材料になりそうで、ならないのは、政治である。なぜかと....
「純粋経済学要論」より 著者:手塚寿郎
量し得られるものである。 七二 だが外延利用は利用のすべてではない。それはこの
一因子に過ぎない。このほかに、今曲線 ad,1〔訳者註、需要を価格につき微分した....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
れるまではムリをつづけそうであったと書いている。つまり体力を過信したことが急死の
一因であるという意味のことを言いもらしてはいないのである。ジャーナリズムの過度の....
「鍋料理の話」より 著者:北大路魯山人
て、煮たてと、すべてが新鮮だからいいので、おでん屋というものがはやるのも、ここに
一因があるわけだ。あれは決して料理がいいからはやるのではない。あの安料理のおでん....
「日本料理の要点」より 著者:北大路魯山人
。 その原因は、宴会料理などでお客が要求する見てくれをよしとする不純な注文にも
一因はあるが、また、一面には、従来の料理人の、そのほとんどと言っても差支えないほ....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
性質を異にするに至った事を認識しなかった事が、第一次欧州大戦に於けるドイツ潰滅の
一因と云われねばならない。 支那に於ては唐朝の全盛時代に於て国民皆兵の制度破れ....