一国一城の主[語句情報] » 一国一城の主

「一国一城の主〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

一国一城の主の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
《そら》うそぶいたのも然り、富貴栄達の道がないからこそ退屈もしていると言うのに、一国一城の主云々と言ったのも然り。美姫あり、西より来って妻となり、男子十一人出生....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
名のごとくぐずることにもなったに違いないが、しかし、同じぐずりであったにしても、一国一城の主人を向うに廻してのことであるから、まことにやることが大きいと言うのほ....
新版 放浪記」より 著者:林芙美子
けているのでした。皆、円陣をつくって、こちらへ向いて下さいと願っても、一人一人が一国一城の主《あるじ》になりすぎているのです。かわやへなぞ這入っていると、思わず....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
うことを知っているが、決してそれを押売りはしない。 彼等は、落ちたりといえども一国一城の主をもって自ら任じ、決して親のつけた名前なんぞを呼ぶものはない。 試....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
「ねえ――殿様、さいぜんも槍のお話が出ましたことでげすが、昔はそれ、槍一本で一国一城の主ともなりました、お旗本の御先祖様なんぞは大方はそれでげす。ところが、....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
のもあるが、まんざらの誇張とも思われぬ。事実、彼が戦国時代に生れていたら、当然、一国一城の主になれる身だ、人殺しをするが天職、殺人業の元兇などとホザく奴の口の端....
梟雄」より 著者:坂口安吾
坊主などはもうゴメンだと思った。 乱世であった。力の時代だ。時運にめぐまれれば一国一城の主となることも天下の権力者となることもあながち夢ではない。 彼は寺を....
南蛮秘話森右近丸」より 著者:国枝史郎
からな」やっぱり猪右衛門は不安らしい。 「そりゃア云う迄もありゃアしないよ。昔は一国一城の主、しかも西洋の学問に、精通している人間だからね」 「だからよ、猿若や....
魔像」より 著者:林不忘
びとめつけ》、寺社奉行、勘定奉行、町奉行と来て、これを四十八高という。そのうち、一国一城の主君《あるじ》である大頭株に介在して、身分は単に一旗本に過ぎないのだが....
安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
して、解決以上に大満足を得て、安定し、たのしかったであろう。門下生にとりまかれて一国一城の主を自覚し愛人に美酒を献じ、愛人の三味の音をたのしみ愛人の手拍子に興を....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
成から完成への過渡期にあった。又八ですらその社会の空気を感じるほど、今は、裸から一国一城の主を望める時である。 そのために、青年は続々離郷する――また家を離れ....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
は、剣とは限るまい。金持になろうが、位持になろうが、やくざになろうが、その道での一国一城の主になれやあいいんだろう。おれも武蔵もまだ二十二だ、早く世間へ名を売っ....
随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
る生活のものを基盤にして「道」として確立しかけてはいたが、以上の三者は皆それぞれ一国一城の主や、豪族であって、身をもって世路の危難や艱苦の中を、行雲流水した人々....
黒田如水」より 著者:吉川英治
……」 秀吉は手を取らんばかりであった。恰も十年の知己を迎えたようですらある。一国一城の主といえばとかく威容を作りたがるものなのに、そんな気振はみじんもない。....