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一場
「一場〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一場の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
望だ。』と、思い切ったように答えました。その時はこう云う彼の言《ことば》も、単に
一場の口頭語として、深く気にも止めませんでしたが、今になって思い合わすと、実はも....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
ら、眼鏡《めがね》越しに彼女を見つめている、――それがなおさらお蓮には、すべてが
一場の悪夢《あくむ》のような、気味の悪い心地を起させるのだった。
「私はもとより....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
返《いちょうがえ》しの下女を呼び出して来た。それから、――筋は話すにも足りない、
一場《いちじょう》の俄《にわか》が始まった。
舞台の悪ふざけが加わる度に、蓆敷....
「或る女」より 著者:有島武郎
《こばた》がおもちゃのようにながめられた。
葉子は長い航海の始終《しじゅう》を
一場の夢のように思いやった。その長旅の間に、自分の一身に起こった大きな変化も自分....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
まえさんに逢いたいと言ったね」 思いも寄らぬ弁者の好謔《こうぎゃく》は、大いに
一場の笑いを博せり。渠もやむなく打ち笑いぬ。 「ところが金子《かね》を奪られた覚....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
知れぬ。 と観念の眼を閉じて首垂れた。 「早瀬、」 「は、」 「降りるんだ。」
一場展開した広小路は、二階の燈と、三階の燈と、店の燈と、街路の燈と、蒼に、萌黄に....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
を目深に、外套の襟を立てて、件の紫の煙を吹きながら、目ばかり出したその清い目で、
一場の光景を屹と瞻っていたことを。――されば婆さんは今その事について何にも言わな....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
と滝を浴びたように感じながら、ほとんど盲蛇でまっしぐらに突いて出ると、颯と開けた
一場の広場。前面にぬっくり立った峯の方へなぞえに高い、が、その峰は倶利伽羅の山続....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
……。そしてかかる惨劇の起る動機はと問えば、多くは地上の権力者の只一片の野心、只
一場の出来心に過ぎないのである。 嗚呼友よ! 地上の人類は、まだまだ学ぶべき多....
「化鳥」より 著者:泉鏡花
七 また憎らしいのがある、腹立たしいのも他にあるけれども、それも
一場合に猿が憎らしかったり、鳥が腹立たしかったりするのとかわりは無いので。詮ずれ....
「私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
位置変更についてあらかじめ観客の注意をうながし、急に視野の範囲が変るが、場面は同
一場面で、動作は連続したものであるから誤解のないようにしてもらいたいとくどくどと....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
殷々として遠ざかる、響の中に車夫の懸声、蒸気の笛、ほとんど名状すべからざる、都門
一場の光景は一重の硝子に隔てられてビイヤホールの内は物色沈々、さすがに何となく穏....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
周囲一尺、すぽりと穴のあいたようになっているのだから。 気の早いお悦が、別して
一場合だったから、つかつかと店へ入って、 「御免なさい、」 「へい、これは。」 ....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
て違っていたに相違ない、少々血迷ってる形です。―― 楽の晩だ。板礫の、あともう
一場、賑かな舞踏がある。――帷幕が下りると、……燕尾服の口上じゃない――薄汚い、....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
中人物になったものである。僕はこういう壮士芝居の中に「大悪僧」とかいうものを見、
一場々々の血なまぐささに夜もろく/\眠られなかった。尤もこの「大悪僧」は或はピス....