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一変
「一変〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一変の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
い。
鼻
クレオパトラの鼻が曲っていたとすれば、世界の歴史はその為に
一変していたかも知れないとは名高いパスカルの警句である。しかし恋人と云うものは滅....
「私の父と母」より 著者:有島武郎
棲するようになってからは、その感化によって浄土真宗に入って信仰が定まると、外貌が
一変して我意のない思い切りのいい、平静な生活を始めるようになった。そして癲癇《て....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
問い詰めるかも知れない。科学的な立場から愛を説こうとする愛己主義者は、自己保存の
一変態と見るべき種族保存の本能なるものによってこの難題に当ろうとしている。然しそ....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
避するに大きな力となるのみならず、かくの如き大威力の文明は一方、世界の交通状態を
一変させる。数時間で世界の一周は可能となり、地球の広さは今日の日本よりも狭いよう....
「転機」より 著者:伊藤野枝
に、山岡と私は初めて二人きりで会う機会を与えられた。そして、それがすべての場面を
一変した。順当に受け容れられていたことが、すべて曲解に裏返された。私はその曲解を....
「成長が生んだ私の恋愛破綻」より 著者:伊藤野枝
も私の気を引き立てました。そして、この私の積極的な気持から、私の対社会的な考えが
一変したのです。そしてこの考えは、ある時Tの主我的な考えとかなり激しくぶっつかり....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
たわけではないが長い手紙を寄越して趙家と「仲直り」をしたらしい。趙太爺は腹の中が
一変して、どうしても彼に悪い処がないと感じたので箱を預り、現に趙太太の床の下を塞....
「飯田蛇笏」より 著者:芥川竜之介
「死病得て爪美しき火桶かな」と云う蛇笏の句を発見した。この句は蛇笏に対する評価を
一変する力を具えていた。僕は「ホトトギス」の雑詠に出る蛇笏の名前に注意し出した。....
「不周山」より 著者:井上紅梅
々した精力の満ち溢れた臂を伸ばして、天に向かって大きな欠伸をした。天空はたちまち
一変して、不思議な肉色に変り、暫くの間は、彼女がいるところさえも判らなくなった。....
「取舵」より 著者:泉鏡花
の兄弟の前途を危わしげに目送せり。 やがて遙に能生を認めたる辺にて、天色は俄に
一変せり。――陸は甚だ黒く、沖は真白に。と見る間に血のごとき色は颯と流れたり。日....
「画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
ってみよと教えたのでございましょう。母は度々、竹をスパッと割るように、私の心機を
一変してくれることがありました。その時は、「人形つかひ」の構想が、できかかってい....
「最初の出品画」より 著者:上村松園
叔父が新聞紙上で私の博覧会出品作に褒状がくだされたということを読み識ってからは、
一変してしまい大へん有頂天に喜んで、わざわざ私の家へ祝いにやって来た始末。それか....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
その口みだりに世事を談ぜずといえども、あえて国家のために思うところなきにあらず。
一変一動に際会するごとに、いまだかつてその国を思わざるはあらず。いわゆる江湖の遠....
「西航日録」より 著者:井上円了
まり口角泡を飛ばし、切歯腕を扼し、日本男児の真相を演ずることあるも、局勢たちまち
一変して、棋戦となり、雑談となり、滑稽となる。これ船中の余興なり。もって「船中無....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
さらに加わり、海潮を甲板上に打ち込むこと幾回なるを知らず。船病者多し。ただし風位
一変、西南より吹き来たるために、また冬寒を覚ゆ。 二十六日、曇晴。暁天、雲破れ....