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一天万乗
「一天万乗〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一天万乗の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「二人小町」より 著者:芥川竜之介
す。まだ美しい盛りなのです。どうか命は助けて下さい。
使 いけません。わたしは
一天万乗《いってんばんじょう》の君でも容赦《ようしゃ》しない使なのです。
小町....
「平和への荷役」より 著者:宮本百合子
公方《くぼう》と藩主とをはっきり臣下とよぶ天皇であり、その制度であると示された。
一天万乗の君の観念はつくられ、天皇の特権を擁護するために全力をつくした旧憲法が人....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
のではない。二十インチの巨砲群、八十台にあまる重爆機隊、そういうものの狙の前に、
一天万乗の君まします帝都東京をはじめ、祖国の地を曝させてはたいへんである。一命の....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
ゃ」 「へえ」 「そら御輿がお通りになる、頭をさげい、ああおやせましましたこと、
一天万乗の御君が戦塵にまみれて山また山、谷また谷、北に南に御さすらいなさる。ああ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
わが身でわが身が持扱いかねている、そうすれば当然、政権は公家の手に戻り、大日本は
一天万乗の君の御親政となる。そちは、それを悦ばしいとは思わぬか、早く、左様な時勢....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
のものである。御妹君におむかい、「吾が大王ものな思ほし」といわれるのは、御妹君は
一天万乗の現神の天皇にましますからである。 ○ 飛ぶ鳥の明....
「にらみ鯛 」より 著者:佐藤垢石
罪ではないと存ずる』 こう説いて、睫毛に宿る露を長袖で拭った。岩倉は、かねがね
一天万乗の君のご前へ供え奉る御膳が、どんなに質素で、いや質素を通り越してお粗末で....
「赤坂城の謀略」より 著者:国枝史郎
さすがに正成の心中にも、感慨が湧かざるを得なかった。 河内の国の一豪族の身が、
一天万乗の君に見出され、たのむぞよとの御言葉を賜わった。何んたる一族の光栄であろ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
佐るものにすぎないと、連綿、さだめられて来た国家である。 その天皇。――今とて
一天万乗の君と仰がれて九重に宮居し給うお方が、御謀反とは、たれへたいしての御謀反....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
豚までも飼って食用に供したのであった。したがって神にも生贄として獣類を供え、上は
一天万乗の天皇を始め奉り、下は一般庶民に至るまで、みな一様に肉を食したのである。....
「融和促進」より 著者:喜田貞吉
がら、実をいえば肉食はわが国固有の風習で、昔は決して穢れとはしませんでした。上は
一天万乗の大君を始め奉り、下は一般民衆に至るまで、みなこれを口にして憚りませんで....
「融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
召し上がったに相違ありません。神々様にもむろん供物として、これを捧げました。上は
一天万乗の天皇を始め奉り、下は一般庶民の末に至るまで、肉食は普通のことであったの....