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一夫
「一夫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一夫の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「第四の夫から」より 著者:芥川竜之介
僕にいわせれば、あらゆる結婚の形式はただ便宜《べんぎ》に拠《よ》ったものである。
一夫一妻の基督《キリスト》教徒は必ずしも異教徒たる僕等よりも道徳の高い人間ではな....
「奴隷根性論」より 著者:大杉栄
を納めなければ永劫にあらしがあるなどと嚇す。 ブーサ族の酋長が、ヨーロッパでは
一夫多妻を禁じていると聞いて、「外の人にはそれも善かろうが、しかし酋長には怪しか....
「蠅男」より 著者:海野十三
間を調べていった。 その中に彼は一人の男の客に注意力を移したのだった。 「井上
一夫。三十三歳」 と、たどたどしい筆蹟で書いてある一人の男があった。住所は南洋....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
先の正月は、更にそれが激化するのではなかろうか。 ◯ラジオを聴きながら寝る。菊田
一夫構成の「五十年後の今日の今日」の苦しさよ。そのうち除夜の鐘がなり出す、東叡山....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
、涅槃経よ、仏教こそは讃美べきかな。……恥ずべきは人の世だ。戦国の世の浅ましさ、
一夫多妻、叔姪相婚、父子兄弟相|鬩ぎ、骨肉互いに啄もうとしている。……愚かしいは....
「男女関係について」より 著者:大杉栄
あるということが、どうしても君には話すことができなかった。君には、排他的の厳重な
一夫一婦という、一種の理想があった。そこで君は、しきりと僕に、他のいっさいの女を....
「愛の問題(夫婦愛)」より 著者:倉田百三
るものである。この天然と生命との機微を無視するキリスト教的、人道主義は、簡単に、
一夫一婦の厳守を強制するのみで、その無理に気がつかない。それは夫婦というものが、....
「生活と一枚の宗教」より 著者:倉田百三
に燃えるような熱をもっていたから、そういうようなことが起こったのであります。私も
一夫一婦ということを考えたのでありますが、そういうように無難にやっている。恋愛に....
「大阪の可能性」より 著者:織田作之助
ない。若い世代でいい科白の書けるのは、最近なくなった森本薫氏ぐらいのもので、菊田
一夫氏の書いている科白などは、森本薫氏のそれにくらべると、はるかにエスプリがなく....
「秋深き」より 著者:織田作之助
ど、貴方キネマスターで誰がお好きですか?」 「…………」 「私、絹代が好きです。
一夫はあんまり好きやあれしません。あの人は高瀬が好きや言いますのんです」 「はあ....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
えると小林家にもまた妻らしい女を迎えた。今なら重婚であるが、その頃は門並が殆んど
一夫多妻で、妻妾一つ家に顔を列べてるのが一向珍らしくなかったのだから、女房を二人....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
るに福沢先生を証人に立てて外国風に契約を交換す結婚の新例を開き、明治五、六年頃に
一夫一婦論を説いて婦人の権利を主張したほどのフェミニストであったから、身文教の首....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
それにも種類があって兄弟で貰うのとまた他人同士が相談して貰うのと、それから最初は
一夫一妻であったが、その妻君の権力が強くってよその男を引っ張って参り、自分の古い....
「特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
の諸民族が、互いに網の目をすいた様に組み合って、子孫がだんだん増殖します。かりに
一夫婦が平均三人の子を育て上げたとしたならば、十代目には約七千七百人、二十代目に....
「機密の魅惑」より 著者:大倉燁子
く不思議な魅力を有っている女で、普通の人とは大分違っている点が沢山ございます。第
一夫を盗まれて敵のように恨んでいる私の処へだって、平気な顔をして遊びにやって来る....