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一字一句
「一字一句〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一字一句の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
した。長い手紙であればあるほどその場合の園には便りが多かった。園は念を入れてその
一字一句を読みはじめた。
「皚々《がいがい》たる白雪山川を封じ了んぬ。筆端のお....
「女生徒」より 著者:太宰治
たのしい。一字一行で、百円、二百円と広告料とられるのだろうから、皆、一生懸命だ。
一字一句、最大の効果を収めようと、うんうん唸《うな》って、絞《しぼ》り出したよう....
「風の便り」より 著者:太宰治
息《ためいき》ばかりついていました。私はあなたのお手紙を、かならずしも聖書の如く
一字一句、信仰して読んだわけではありません。ところどころに、やっぱり不満もありま....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
言葉がおかしかったのである。二、三日前答案を採点していた時、H教授は三人の答案が
一字一句違わないことを発見して、あきれてしまった。赤井と野崎が豹一の答案を写した....
「もの思う葦」より 著者:太宰治
のれの書簡集作成にいそがしく、十年来の親友に送る書簡にも、袴をつけ扇子を持って、
一字一句、活字になったときの字づらの効果を考慮し、他人が覘いて読んでも判るよう文....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
う一の通信機関を使用する、必然の結果である。真理は全体の流れの中に見出すべきで、
一字一句の末に捕えらるれば、到底真理を掴むことはできない。全体と交渉なき局部的の....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
彼の手紙を引き出すと、手紙は密封してなかった。読んでみると、それはドイツの小説の
一字一句を訳して、そのままに引用した優しい敬虔な恋の告白であった。しかもリザヴェ....
「水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
せていたのだ。冷酷な鉄窓裡に呻吟し、長い間の苦心惨憺! 厳重な獄裡の隙を覗いつつ
一字一句におそれと悲しみを籠めて書いた手紙、待ちに待った獄吏の通信! 何が認めて....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
伝第九輯四十五の巻まで綴り果し」とあるはその消息を洩らしたもので、口授ではあるが
一字一句に血が惨み出している。その続きに「第九輯百七十七回、一顆の智玉、途に一騎....
「不在地主」より 著者:小林多喜二
が何故小樽あたりへ行けるのか。 伴――組合支部の応援で行ってるのだ。 これは
一字一句も直していない。それもたった一部の写しでしかない。 これを読んだら「調....
「茶の本」より 著者:岡倉由三郎
国の者がその存在をさえ知らずにいることを遺憾に思って、洋々塾の村岡博氏が、原文の
一字一句をもゆるがせにすることなく多大の労苦を物ともせずに、章一章こくめいに日本....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
かりだった。この非芸術的濫訳横行の中にあって、二葉亭の『あいびき』は殆んど原作の
一字一句をも等閑にしない飜訳文の新らしい模範を与えた。後年盛んに飜訳し出した頃二....
「城」より 著者:カフカフランツ
れた言葉をKの前でくり返させてくれ、と頼んだ。Kがそれを許すと、バルナバスは全部
一字一句そのままくり返した。そして、別れを告げるため、立ち上がった。
さっきか....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
た巻紙を、
世間のものは皆化物のようにこわがっている。
いざ筆に上するとなると、
一字一句にも気怯がする。
そりゃ用紙、そりゃ封蝋と、どなたもお持廻になる。
おい....
「俳句の作りよう」より 著者:高浜虚子
な句を作れと強いるわけではないけれども、簡単な景色を叙する上においても、わずかに
一字一句の上にその作者の頭の味というものは知らず識らずの間に現れてくる。叙する方....