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一字書
「一字書〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一字書の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「女の決闘」より 著者:太宰治
、いま、自身の女房の愚かではあるが、強烈のそれこそ火を吐くほどの恋の主張を、一字
一字書き写しているうちに、彼は、これまで全く知らずにいた女の心理を、いや、女の生....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
もしろい種になるので、あっちこっちから葉書や手紙が三四通は必ず届いた。喝!――と
一字書いた端書があるかと思うと、蕎麦屋で酒を飲んで席上で書いた熊谷の友だちの連名....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
、伊達邦夷支配地 相田清祐殿」
改めて差出し人を見るほどのことも無かった。謙と
一字書かれて――これは、ご家老阿賀妻のたよりなのだ。これこそ、今日か今日かと待ち....
「杏の若葉」より 著者:宮本百合子
。ぬいは、一寸考えていたが、友達の背中に字を書いて読ませるときのように、熱心に、
一字書いては判ったかどうかをためしながら、次の文句を灰に書いた。 「清サンハ、ホントニ、キカイノコトガ、オ上手デス」....
「狭い一側面」より 著者:宮本百合子
とにした。さて藤村氏の方はどんな工合に行っているかと硝子障子のところから見ると、
一字書いては煙草を吹かし、考え、考え、やっと
一字書いたが、消す。煙草、煙草、また....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
ある。そこで飯櫃を司っている小姓は最初の一椀を盛る時杓子で飯櫃の飯の上へ久の字を
一字書く真似をする。そうして盛って出すが、盆は用いないで、椀の底の方を手で持って....
「暗号数字」より 著者:海野十三
□□ ―――― 0 (終) なお「終」という字が
一字書きこんであるところを見ると割り算の宝さがしの旅は、この富山をもって終ったわ....
「妖怪学」より 著者:井上円了
妙なり。 (六)しゃっくりを落とす呪術 その人の舌の上に「水」という字を
一字書きて、のますべし。奇妙に落つるなり。 また一法に、その人が「法性寺入道前....
「山の人生」より 著者:柳田国男
三つを挙げて見ると、『静岡県|安倍郡誌』には、この郡大里村」というような変な字が
一字書いてある。ムジナすなわち狸だという幽かな暗示とも解せられる。隣区西脇の庄屋....