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「一存〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

一存の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
御気象ですから、決して御取り上げにはならないのに相違ありません。そこで、私は私の一存で、あの沙門を姫君の御目にかかれないようにしようと思うのですが、叔父さんの御....
古千屋」より 著者:芥川竜之介
き》を失いましたと見え、何やら口走ったように承わっております。もとよりわたくしの一存《いちぞん》には覚えのないことばかりでございますが。……」 古千屋は両手を....
忠義」より 著者:芥川竜之介
衛門めを贔屓《ひいき》にせられるようでござるが、手前家来の仕置は、不肖ながら手前一存で取計らい申す。如何に当時|出頭《しゅっとう》の若年寄でも、いらぬ世話はお置....
星座」より 著者:有島武郎
が齢《とし》がいっているので、そんな話はうるさいと言って聞きたがらないし、自分の一存としていうと、当節東京に出ての学問は予想以上の金がかかるから、こちらは話によ....
籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
ばにおいて、彼女は身請けの話を言い出した。彼女も浮橋の考えた通りに、それはお前の一存ではあるまい、主人に言い付けられてよそながら捜るのであろうと言った。治六は決....
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
えているではないか。忠通もおのずと涙ぐまれた。 「そちの父は勅勘の身じゃ。忠通の一存でとこうの返答はならぬが、その孝心にめでて願いの趣きは聞いて置く。時節を待て....
第五氷河期」より 著者:海野十三
婦人に対し、即座に断ろうかとも考えたが、いやとにかくこういう重大時期に際し、自分一存で事を行うは危いと考え、氷子女史に向う五日間の猶予を乞うたのであった。そうし....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
兵衛は書画に格段の趣味をもっているので、その相談を聞いて心が動いた。しかし自分の一存では返答もできないので、いずれ番頭と相談の上で御挨拶をいたすということに取り....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
つお留に絞り取られていたんだそうです。そんなわけですから、今度の亭主殺しもお留の一存で、伝介はなんにも係り合いのないことがわかりました」 「なるほど、それは少し....
天守物語」より 著者:泉鏡花
ぬか。 図書 お天守は、殿様のものでございます。いかなる事がありましょうとも、私一存にて、何と計らおうとも決して存じませぬ。 夫人 お待ち。この天守は私のものだ....
二、〇〇〇年戦争」より 著者:海野十三
ろのさわぎではない。キンギン国は四等国に下ってしまうぞ」 ラック大将は、自分の一存で、かの骸骨旗軍に、降服を申出でた。 すると、敵の司令官から、返書が来て“....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
女房の三人でしゅが。」 「一通りは聞いた、ほ、そか、そか。……無理も道理も、老の一存にはならぬ事じゃ。いずれはお姫様に申上ぎょうが、こなた道理には外れたようじゃ....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
なにしろお蝶はまだ十七で、ほんとうの子供だと思っていたのですからね。勿論、家内の一存でどうすることも出来ない。矢田の母はむかし気質の物堅い人ですから、涙をこぼし....
有喜世新聞の話」より 著者:岡本綺堂
なにしろお蝶はまだ十七で、ほんとうの子供だと思っていたのですからね。勿論、家内の一存でどうすることも出来ない。矢田の母はむかし気質の物堅い人ですから、涙をこぼし....
黄八丈の小袖」より 著者:岡本綺堂
密通しているらしいと云った。母のお常にも不行跡が多いと云った。今度の一条もお菊の一存でなく、ほかに彼女を唆した者があるに相違ないと云い切った。 奉行所でも手を....