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一安心
「一安心〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一安心の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「父帰る」より 著者:菊池寛
そんなにせいでも、三百円かけてやったらええ。その後でお前にも嫁を貰うたらわしも
一安心するんや。わしは亭主運が悪かったけど子供運はええいうて皆いうてくれる。お父....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
来ませんが、下士官の方に会ったら、隊で元気で居られますといわれました」とあって、
一安心した。 串良も敵の上陸の噂でかなり動揺しているらしい。朝子、大なる覚悟の....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
氷海嘯が、向うの谿へ落ちてゆく。よかった、予知したことがなによりだった。と、まず
一安心となった。その翌朝のことだ。とつぜん一人のエスキモーの、喧ましい声で起され....
「わが町」より 著者:織田作之助
に賑やかに口上を述べた。 朝日軒の敬吉が出て来て、 「種さん、おまはんもこいで
一安心やな」 と、言うと、 「さいな。売れてくれると宜しおまっけど、さて開いて....
「大脳手術」より 著者:海野十三
家は彼の宅であった。追跡者も、遂に私の身柄を取押えることができなかったのである。
一安心だ。 食堂へいって鳴海と共に朝食を済ませた。それから彼の部屋へ行って、電....
「火星探険」より 著者:海野十三
険悪 一難去ってまた一難! せっかく火星人のごきげんを取結んだと思ってほっと
一安心したのも束《つか》の間《ま》、急にはげしい怒りにもえあがった火星人。気味の....
「地球要塞」より 著者:海野十三
とうとう、クロクロ島は、煙幕の中に、見えなくなったのにちがいない) 私はほっと
一安心して、なおも海上の様子をうかがっていた。そのころ、艇は水平にもどって、同じ....
「父」より 著者:金子ふみ子
なって帰って来た。 ああなんという朗らかな晩だったろう。子ども心にも私はほっと
一安心した。静かな、静かな、平和な晩だ!! けれど、けれど、やがて私たちは余りに....
「時限爆弾奇譚」より 著者:海野十三
か、そのへんははっきりしない。いずれにしても、租界の住民たちは、二十六日が去って
一安心したものの、まだ枕を高くして睡ることは出来なかった。そしてそれからというも....
「大阪発見」より 著者:織田作之助
灯、そして線香のにおいが愚かな女の心を、女の顔を安らかにする。 そこで、ほっと
一安心して、さて「めをとぜんざい」でも、食べまひょか。 大阪の人々の食意地の汚....
「悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
でも非人でも、そんな気は些ともありませんから、その方は請合ます」 「やれ、それで
一安心。そこで、肝腎の血の筋だ。癩病の方はどうだね」 「その方は大丈夫です。あの....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
島田の根がぬけていたろうじゃねえか。 それですっぱりと顔を拭いてよ、そこでまた
一安心をさせながら、何と、それから丸々ッちい両肌を脱いだんだ、それだけでも悚とす....
「迷信解」より 著者:井上円了
様、大日様、どうぞ泥棒したことの知れませぬように』と一心に祈願をこめ、これでまず
一安心と思って帰家したるところを、京橋警察署の手で捕縛されたり」とのことであるが....
「贋物」より 著者:葛西善蔵
くて、このひと月はただ掛物をそちこち持ち歩かせられて日を送っていた老人は、これで
一安心したという風であった。 予算どおりの価格に売れると、叔父はその中から二三....
「大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
の後には、船頭の助けを得て、沈を手元に引き留むるを得たり。 既に沈を上げし上は
一安心なり、早く挙げ終りて、船頭の苦みを除きたしと、引く時は、敵を怒らしめざるよ....