一客[語句情報] »
一客
「一客〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一客の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十二支考」より 著者:南方熊楠
『続開巻一笑』四に、唐寅《とういん》字《あざな》は伯虎、三月三日において浴澡す。
一客これを過《おとずれ》て見る事を求む、浴を以て辞す、客悦ばずして去る。六月六日....
「古狢」より 著者:泉鏡花
手の幻影になる首途であった。 その夜、松の中を小提灯で送り出た、中京、名古屋の
一客――畜生め色男――は、枝折戸口で別れるのに、恋々としてお藻代を強いて、東の新....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
ような錯綜と倒錯とは、ファシズム・リベラリズム・マルクス主義というような社会的な
一客観現象としてのイデオロギーの区別によっては到底問題が尽くされず、ファシスト・....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
のだ。丁度技術や風俗が社会の客観的な関係であると同様に、ジャーナリズムも亦社会の
一客観的関係に他ならない。それが個人の主体的な行為や生活意識やを意味するようにな....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
というのほかはないものの、それにしてもこうしつこく立たれては仏の顔も三度まで、第
一客足にも障ろうというもの――海老床の腰高障子《こしだか》へ隠居が蝦の跳ねている....
「申訳」より 著者:永井荷風
ノ為人ニ従ツテ為ス所ヲ異ニス。婢ノ楼ニ在ツテ客ヲ邀フルヤ各十人ヲ以テ一隊ヲ作リ、
一客来レバ隊中当番ノ一婢出デヽ之ニ接ス。女隊ニ三アリ。一ヲ紅隊ト云ヒ、二ヲ緑隊、....
「素人製陶本窯を築くべからず」より 著者:北大路魯山人
最初から、その製陶態度がぜんぜん客観的であった。「指導で他人に拵えさす」これが第
一客観である。「志野陶土があれば志野が再現するかに考える」これが客観である。これ....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
養うばかりでなく、心もまた食物で養われます」と興に乗じてうたた感慨を説く。座中の
一客感歎し「いかにも主人公のお説の通り、我々の催《もよお》したる食道楽会は単に人....
「三国志」より 著者:吉川英治
る説には、本能的にも、血が高鳴った。 「なお詳しいことは、臣が江夏からつれてきた
一客を召して、親しくそれにお訊ね遊ばしてごらんなさい」 「
一客とは誰か」 「諸葛....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
を狙う宮方残党の嵐の前ぶれにたいする彼の予感にほかならない。 たとえば、今日の
一客。――備前の松田権ノ頭なども、なにかここの幕旅や、警固の兵数などを、さぐりに....