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一家
「一家〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一家の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
は薄ら寒い静かさの中にじっと玄鶴を見守ったまま、いろいろのことを考えていた。この
一家の人々の心もちや彼女自身の行く末などを。………
三
或雪の晴れ上った午....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
もさない店先の薄明りで、慌《あわただ》しく表紙をはぐって見ました。するとまっ先に
一家の老若《ろうにゃく》が、落ちて来た梁《はり》に打ちひしがれて惨死《ざんし》を....
「ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
心から店の若い者と一しょになって着のみ着のままでかけ落ちをしてしまった。そこで、
一家安穏のためにした信心が一向役にたたないと思ったせいか、法華気違いだった旦那が....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
しい思いをなすったと申す事でございました。なぜと申しますと、あの平太夫が堀川の御
一家《ごいっけ》を仇《かたき》のように憎んでいる事は、若殿様の御耳にも、とうから....
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
素封家《そほうか》にあったのです。勿論|骨董《こっとう》としてあったのではなく、
一家の繁栄を祈るべき宗門神《しゅうもんじん》としてあったのですが。
その稲見の....
「たね子の憂鬱」より 著者:芥川竜之介
生児の衣服、産室、産具……
「収入及び支出。労銀、利子《りし》、企業所得……
「
一家の管理。家風、主婦の心得、勤勉と節倹、交際、趣味、……」
たね子はがっかり....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
《ちゅうちょ》致しました。何故《なにゆえ》かと申しますと、これを書く以上、私は私
一家の秘密をも、閣下の前に暴露しなければならないからでございます。勿論それは、私....
「手紙」より 著者:芥川竜之介
奥さんは年よりは少くとも十《とお》ぐらいはふけて見えるのでしょう。僕はM子さんの
一家のことは何も知らないものの一人です。しかしいつか読んだ新聞記事によれば、この....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
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修理《しゅり》のこの逆上は、少からず
一家中の憂慮する所となった。中でも、これがために最も心を労したのは、家老の前島|....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
んおうむけつ》の国体は家族主義の上に立つものなり。家族主義の上に立つものとせば、
一家の主人たる責任のいかに重大なるかは問うを待たず。この
一家の主人にして妄《みだ....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
当日は御主《おんあるじ》がぴらと殿《どの》の裁判《さばき》を受けられるとすぐに、
一家のものどもを戸口《とぐち》へ呼び集めて、勿体《もったい》なくも、御主の御悩み....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
褌かつぎが相撲膏を貼っていたためかもしれない。 一九 宇治紫山 僕の
一家は宇治紫山という人に一中節を習っていた。この人は酒だの遊芸だのにお蔵前の札差....
「久米正雄」より 著者:芥川竜之介
カクテルに酔いて、その生活の放漫なるを非難したる事ありしが、何時か久米の倨然たる
一家の風格を感じたのを見ては、鶏は陸に米を啄み家鴨は水に泥鰌を追うを悟り、寝静ま....
「出来上った人」より 著者:芥川竜之介
来上っていようとは思わなかった。出来上った人と云う意味はまあ簡単に埒を明ければ、
一家を成した人と思えば好い。或は何も他に待たずに生きられる人と思えば好い。室生は....
「寡婦」より 著者:秋田滋
となくお聞きになったことがあるでしょう。あの家も今は絶えてしまいました。私はその
一家の最後の三人の男を知っておりました。三人が三人、同じような死に方をいたしまし....