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一家言
「一家言〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一家言の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「古典風」より 著者:太宰治
く見えた。ロオマ一ばんの貝殻蒐集家として知られていた。黒薔薇《くろばら》栽培にも
一家言を持っていた。王位についてみても、かれには何だか居心地のわるい思いであった....
「運命」より 著者:幸田露伴
節の上六に、苦節、貞くすれば凶なり、とあるに本づくと雖も、口気おのずから是道衍の
一家言なり。況んや易の貞凶の貞は、貞固の貞にあらずして、貞※の貞とするの説無きに....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
書は、今なお計画として保さんの意中にある。曰く本私刑史、曰く支那刑法史、曰く経子
一家言、曰く周易
一家言、曰く読書五十年、この五部の書が即ちこれである。就中読書五....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
も普通、そのように思います――わたしは……」 と言って貴婦人は、常盤御前に対する
一家言を、次の如くお雪ちゃんに向って語り出しました。 「御存じの通り、常盤御前は....
「脱出と回帰」より 著者:中井正一
であると思っているもののことであるといっているのは、注意すべき言葉である。何でも
一家言をもち、自信をもち、放言し、自分が行くところ可ならざるはない「器用人」だと....
「芳川鎌子」より 著者:長谷川時雨
うはいえ、事柄《ことがら》もむずかしかった。恋愛至上主義者も、この事件について、
一家言《いっかげん》をたてるものも、家庭にあって、子女を前にしては、説が矛盾する....
「つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
もいかんものだぞ。 なるほど、書を読み眼を開いて大勢を観ずる者、誰しも一意向、
一家言を有するのは当然だ。それによって討幕もよい。勤王《きんのう》も面白かろう。....
「真珠の首飾り」より 著者:神西清
こしなえじゃ』とね。 ところが婦人れんになると、何につけてもめいめい小うるさい
一家言をもちだすものだし、当のマーシェンカなどは、首飾りをもらってから、さめざめ....
「随筆 寄席囃子」より 著者:正岡容
特別の親近の交わりがある。喜びとしないわけにはゆかない。 志ん生の噺にたいする
一家言はなかなか鋭角的で、半歩も他に譲らないきびしいものをもっている。権門に降《....
「好日」より 著者:三好十郎
言うよ。仕方が無い。……言うからには正直に言う。ことわって置くが、勿論これは僕の
一家言だ。つまり偏見だよ。自分では自分の言う事に間違いは無いと思うが、でも他の人....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
、全く一夜に天上の宮殿をこの世界に移したかのように思われる。これは私が見た上での
一家言でなくって、不風流なチベット人も十五日の供養は兜率天上弥勒の内縁に供養した....
「増長天王」より 著者:吉川英治
の肌みてえに、暖かいものの筈なんだ? と。ははははは、無学の暴言かも知れないが、
一家言として聞いてもいい、とにかくあいつは活々した人間らしいな、この杢之進に較べ....