一幕物[語句情報] »
一幕物
「一幕物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一幕物の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
「根が俳句趣味からくるのだから、あまり長たらしくって、毒悪なのはよくないと思って
一幕物にしておいた」「なるほど」「まず道具立てから話すが、これも極《ごく》簡単な....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
を願っておきたい。 わたしが脚本というものに筆を染めた処女作は「紫宸殿」という
一幕物で、頼政の鵺退治を主題にした史劇であった。後に訂正して、明治二十九年九月の....
「なかじきり」より 著者:森鴎外
を作り試みたが、長篇の山口にたどりついて挫折した。戯曲においては、同じ足ならしの
一幕物若干が成ったのみで、三幕以上の作はいたずらに見放くる山たるにとどまった。哲....
「山本有三氏の境地」より 著者:宮本百合子
ち十七人落第させられる。その内の一人となる。八月、足尾銅山に遊び、処女作「穴」(
一幕物)を書く。この作品は川村花菱氏を通じ伊原青々園の『歌舞伎』にのせられた。 ....
「見落されている急所」より 著者:宮本百合子
に対する理解の酸鼻を感じたのである。 『婦人文芸』の「裏切る者」というこの作者の
一幕物は作品としては全くの習作であった。謂わばまだ全体がトガキのようなものだとも....
「家常茶飯 附・現代思想」より 著者:森鴎外
家常茶飯の外にまだありますか。 森。いいえ。外には絶板になっているのと雑誌に出た
一幕物と二つあるばかりです。どれも側から失敗の作だと云ったので、作者も跡を作らな....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
インスピレーション》に裏切られたのだった。紙挾《かみばさ》みにはたえず、自己流の
一幕物か二幕物がはいっていた。しかしその価値についてはあまり自信がなくて、かつて....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ている一人の男の書いた物を、彼はことに知りたかった。ところが、その大劇作家はただ
一幕物を一つ作ったのみだと知って、彼はびっくりした。しかもその
一幕物が、最近十年....
「大正女流俳句の近代的特色」より 著者:杉田久女
白粉をこくぬった給仕女のしな、女と男との対話等のけだるさ悩ましさが交錯した春夕の
一幕物の場面とも見ゆる。 足袋つぐやノラともならず教師妻 久女 前の句の明....
「日記」より 著者:宮本百合子
と、どうしたのか急に「手紙」の構想が頭に浮んで来た。母上の手紙と唐沢氏の心持とを
一幕物に配したのだ。今に書こう。 一月十三日(木曜)寒 今朝起きて見ると、千葉....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
がします。そして私のように溺れやすい者にはことに苦しいことです。 「歌わぬ人」は
一幕物でなるべくなら発表したくなかったほどつまらないもので「俊寛」だけでは薄いの....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
殊に戯曲のたぐいは一般の読みものにならないというので、どこでも嫌われた。わたしが
一幕物の史劇をかいて『文芸倶楽部』の編集者に見せると、その編集者はそれまで私の小....
「米国の松王劇」より 著者:岡本綺堂
ちは補助椅子といったようなものをあてがわれて、隅の方に小さく控えていると、第二の
一幕物がもう終るところでした。プログラムを観ると第三が松王で、それが今度の呼物で....
「裸体談義」より 著者:永井荷風
かってくるのも是非がない。 浅草の劇場では以上述べたようなジャズ舞踊の外に必ず
一幕物が演ぜられている。 戦争後に流行した茶番じみた滑稽物は漸くすたって、闇の....
「頸の上のアンナ」より 著者:神西清
ャの方は二六時ちゅうトロイカを乗り廻して、アルトイノフと一緒に狩猟に出掛けたり、
一幕物に出演したり、晩餐に招かれたり、ますます家を明けることが多くなって行った。....