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一式
「一式〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一式の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夜行巡査」より 著者:泉鏡花
し得たりしならん。されども渠はその職掌を堅守するため、自家が確定せし平時における
一式の法則あり。交番を出でて幾曲がりの道を巡り、再び駐在所に帰るまで、歩数約三万....
「仇討禁止令」より 著者:菊池寛
新一郎も、お八重を妻のように尊敬もし、愛しもした。駿河町の三井呉服店で、衣装も
一式調えてやったし、日本橋小伝馬町の金稜堂で、櫛、笄、帯止めなどの高価なものも買....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
郎と顔をならべて、似而非道学者の坂田なんぞを見返そうと云った江戸児のお嬢さんに、
一式の恩返し、二ツあっても上げたい命を、一ツ棄てるのは安価いものよ。 お前さん....
「人間灰」より 著者:海野十三
長室の壁に、右足湖を含むこの辺一帯の購読者分布地図が貼ってあったので、彼は盗聴器
一式を両手で抱えて壁際へ移動した。 (……この右足湖の縦の中心線が、正しく東西に....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
ものである。「お強くなければなりません」 「俺は随分強いつもりだ」こう答えたのは
一式小一郎で、年は二十三で、鐘巻流《かねまきりゅう》の名手であり、父は田安家《た....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
宿って、 「それではお暇いたしましょう。稚い事を、貴僧にはお恥かしいが、明さんに
一式のお愛相に、手毬をついて見せましょう、あの……」 と掛けた声の下。雪洞の真....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
の妻を失って、世を果敢むの余り、その妻と子の白骨と、ともに、失うべからざるものの
一式、余さずこの古革鞄に納めた、むしろ我が孤の煢然たる影をも納めて、野に山に棄つ....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
して、 寄らっしゃるな、しばらく人間とは交らぬ、と払い退けるようにしてそれから
一式の恩返しだといって、その時、饅頭の餡の製し方を教えて、屋根からまた行方が解ら....
「露肆」より 著者:泉鏡花
、浜から輸出品の羽二重の手巾、棄直段というのもあり、外套、まんと、古洋服、どれも
一式の店さえ八九ヶ所。続いて多い、古道具屋は、あり来りで。近頃古靴を売る事は……....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
子や、黒いマホガニーのテーブルが鏡のように輝いており、薪おきは、シャベルや火箸も
一式ふくめて、アスパラガスの葉のかげに光っていた。梅花うつぎと巻貝とが煖炉の棚を....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
が居て、ちょうど別に一軒借りようという処で、家は見つかっている、所帯道具なんぞ、
一式調い次第あとから繰込むとするから、私に先へ行って夜だけ泊っていてくれろとこう....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
、立派にお暮しなさるんだろう。お嬢さんは、お手車か、それとも馬車かと考えますのが
一式の心ゆかしで、こっちあ蚯蚓みたように、芥溜をのたくッていましたんで。 へい....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
人を妻とした。 尤も笑名はその時は最早ただの軽焼屋ではなかった。将軍家大奥の台
一式の御用を勤めるお台屋の株を買って立派な旦那衆となっていた。天保の饑饉年にも、....
「茶美生活」より 著者:北大路魯山人
を費してみたとて、茶の本道に分け入れる日はおぼつかない。初等生をもって、書画道具
一式代用品では、個人の学問に資する足がかりは、いつになってもないわけである。 ....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
ザイックな面白くもない角九十度式建築の代りに、角八十七度半ないし角七十七度三分の
一式の建築を命じ、都市の美観を添えねばならぬと考えた。道路にしても、今日のような....