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「一徹者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

一徹者の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
駈込み訴え」より 著者:太宰治
につき従っているかのように、有頂天の歓喜で互いに抱き合い、涙に濡れた接吻を交し、一徹者のペテロなど、ヨハネを抱きかかえたまま、わあわあ大声で嬉し泣きに泣き崩れて....
土曜夫人」より 著者:織田作之助
舌的な演説のうまさと、政治資金の濫費と、押しの強さで政界に乗り出していたが、元来一徹者の自信家で、人を小莫迦にする癖があり、成り上り者の東条英機などを、政界の軽....
寛永武道鑑」より 著者:直木三十五
るのかのう。あはははは」 又五郎が、半兵衛に 「叔父は、古武士気質と申そうか、一徹者で、何か荒木の計にかかるように思えてならん。郡山の藩中の人間に聞いても、腕....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
してこの場を去らずという憎々しい剛情を張っているが、一心斎もまた肯《き》かぬ気の一徹者《いってつもの》で、 「再試合なり申さぬ、強《た》ってお望みならば愚老が代....
眼を開く」より 著者:夢野久作
れで危いから今日は配達を見合わせてはドウかと云って止めにかかったものであったが、一徹者の忠平は肯かなかった。黙って二通の郵便物を持って、四里の雪の山道を、私の処....
フランダースの犬」より 著者:菊池寛
んな大それた悪いことをするような子ではありませんわ。」 けれどもコゼツの旦那は一徹者ですから、一度、自分の口から言いふらしたことは、是が非でも、押し通さねばす....
南国太平記」より 著者:直木三十五
なら、それこそ、何うなろうかもしれぬ。この連判の者は、硬直、精忠の人ばかりだが、一徹者揃いだから、十分、気をつけてのう――村野、戻って、一同に、わしの、今まで申....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
すくなくとも、アントニイはそう思った。――若いくせに通風病患者で、気むずかしやの一徹者であるアントニイだった。しかしフランシスの想像力はもっと複雑なものだった。....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
ふたりは眉をひそめて一角を見た。一角は何か真剣になって苦念していた。 剽悍で一徹者、何ごとにも荒けずりな性格を見せる天堂が、妙に楽しまぬ色で、考えこんでいる....
三国志」より 著者:吉川英治
ことでもなく、隠しようもない破目と、玄徳は心をきめた。 「舎弟の関羽は、まことに一徹者ですから、あの日、丞相のなされ方が、帝威をおかすものと見て、一時に憤激した....
私本太平記」より 著者:吉川英治
聟。いわば北条一族と見てのことですか」 「それもあるし、高氏は寝反りなどは出来ぬ一徹者、うかつに呼びかけるのは、あぶないとみな申す」 「では、東国において、勅に....
無宿人国記」より 著者:吉川英治
あわてて、顔いろさえ変えて、呟いた。 「丈八郎という男は、今時の、若いに似あわぬ一徹者だ。二人が、何と説いて聞かせても、金で身売りなどとは、剣士の恥。たとえ、一....
黒田如水」より 著者:吉川英治
基地ともなる突角の地でもあった。 以て信長が、いかに村重の武勇を高く買い、その一徹者の正直を信頼しているか分るのである。 「やあ、官兵衛ではないか。どうして、....