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「一所不住〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

一所不住の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
たそうでござる。」そこで、「そなたは何処のものじゃと御訊《おたず》ねあったれば、一所不住《いっしょふじゅう》のゆだやびと」と答えた。が、上人も始めは多少、この男....
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
て一日も欠くべからざる者である。それでなければ坊主の慣用する手段を試みるがよい。一所不住《いっしょふじゅう》の沙門《しゃもん》雲水行脚《うんすいあんぎゃ》の衲僧....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
います方は、それがどうしてもできないことだと御承知くださると考えます。出家の身は一所不住と申しまして、一木の下、一石の上へなりとも二度とは宿らぬ願いでございます....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
分たちの生涯は自由放浪のほかには立場がないと信じているためらしい。 昔の出家は一所不住といって、同じところへは二度と休むことさえもしなかったそうだが、自分のは....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
のためにではなかった……かくも汝努むれど、そは汝自身のためならず……。それはこの一所不住の利用者らのためにであった。彼らは自国の伝統を喜んで蹂躙《じゅうりん》す....
梟雄」より 著者:坂口安吾
、それは商売の資本のためであった。燈油行商の地盤ができると、女房は不要であった。一所不住は仏門の妙諦である。 彼は諸国をわたり歩き、辻に立って油を売った。まず....
十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
の浪人加藤近栄(今は鷹匠町の町道場の主)、土方家の浪人品川長康(今は虚無僧として一所不住)、大久保家の旧家臣高橋成信(今は七ツ寺の大道売卜者)、青山家の浪人西郷....
寝床〔扉の言葉〕」より 著者:種田山頭火
を落ちつかせるものかと自分ながら驚ろいているのである。 仏教では樹下石上といい一所不住ともいう。ルンペンは『寝たとこ我が家』という。しかし、そこまで徹するには....