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一捻
「一捻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一捻の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黒百合」より 著者:泉鏡花
銀流しを少々、」と言いかけて、膝に着いた手を後へ引き、煙管を差置いて箱の中の粉を
一捻し、指を仰向けて、前へ出して、つらりと見せた。 「ほんの纔ばかり、一|撮み、....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
の老齢の故に、白虎と称えらるる偉匠である。 惟うべし近常夫婦の塚に、手向けたる
一捻の白饅頭の活けるがごとかりしを。しかのみならず、梅鉢草の印の鏨を拾って、一条....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
の人はまた大笑いした。阿Qはいっそう得意になり、見物人を満足させるために力任せに
一捻りして彼女を突放した。 彼はこの一戦で王※のことも偽毛唐のことも皆忘れてし....
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
で、ラザレフの室の扉の前に立った。 「憶えておき給え。最初に鍵を差し込んで、もう
一捻りで棧が飛び出すと云う瀬戸際まで捻っておくんだ。そして、片方の糸を――解けな....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
これが不思議でならなかった。 怪しの浪人 ふと心棒を指で摘み、何気なく
一捻り捻ってみた。 「あ」と又も彼は言った。 独楽は掌の上で廻っている。 そ....
「根岸お行の松 因果塚の由来」より 著者:三遊亭円朝
\》してるから、先が案じられるッてえのですわ、つめ/\しますよ」 と肩のあたり
一捻《ひとつね》りに、 海「あいた、酷《ひど》いな」 花「まってゝ下さいよ」....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
うず》を巻いて押し寄せた川越し人足、なにほどのこともない、取捉《とっつか》まえて
一捻《ひとひね》りと素手《すで》で登って来るのを曳《えい》と突く。突かれて筋斗《....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ために、この小童《こわっぱ》にしてやられたのだ、用心してかかりさえすれば、なんの
一捻《ひとひね》りという気が先に立つのだから、負けていよいよ血迷うばかりで、彼我....
「永日小品」より 著者:夏目漱石
駆《か》り立てながら、高い蹄《ひづめ》の音と共に、馬の鼻面《はなづら》を坂の方へ
一捻《ひとひねり》に向直《むけなお》した。馬は泡を吹いた口を咽喉《のど》に摺《す....