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一揃
「一揃〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一揃の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
た箪笥《たんす》を一々あけさせて、いろいろと勝手に好みをいった末に、りゅうとした
一揃《ひとそろ》えを借る事にして、それから葉子の衣類までをとやかくいいながら去り....
「鼻」より 著者:ゴーゴリニコライ
窃盗もやりかねない奴だとにらんでいましたが、つい一昨日のこと、ある店からボタンを
一揃いかっぱらいましてね。時に、あなたの鼻には全然異状がないようです。」そういい....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
に昨夜母の持って来てくれた外の衣裳が置いてあった。それはクララが好んで来た藤紫の
一揃だった。神聖月曜日にも聖ルフィノ寺院で式があるから、昨日のものとは違った服装....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
いる男(それが区役所先生の野沢だ)があって、今度もそれが拵えてやった新調の衣物を
一揃えお袋が持って来たということまで分った。引かされるのを披露にまわる時の用意に....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
とができたけれど、どうしたものかアルコールを入れた缶が見つからない、こうした物は
一揃いにし袋に入れておけばよかったと思ったが仕方がない。八方手をわけて探したが無....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
り逃げは致さぬゆえ、暫時拝借願いたいと、かように口上申してな、よく釣れそうな道具
一揃い至急に才覚して参れ」 「呆れましたな。旦那のような変り種は臍の緒切って初め....
「大脳手術」より 著者:海野十三
を知っていたのかい」 「あんな罪悪の殿堂は一日も早くぶっ潰さにゃいかん。何でも腕
一揃が五十万円、脚
一揃なら七十万円で買取るそうじゃないか」 「ふふふふ、もうそん....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
あやあ、」 「それに、貴下が打棄っておいでなすったと聞きました、その金剛杖まで、
一揃、驚いたものの目には、何か面当らしく飾りつけたもののように置いてある。……」....
「諸国の玩具」より 著者:淡島寒月
ったのです。 その後椿岳は観音の本堂傍の淡島堂に移って、いわゆる浅草画十二枚を
一揃として描いて、十銭で売ったものです。近頃では北斎以後の画家として仏蘭西などへ....
「現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
じゃないか。そんなんじゃア、サルマタだって、大方、きまってらアな。吋をはかって、
一揃い、女の子に買ってこらせろ。オット、待て。帽子を見せろ。アレアレ、キミ、何十....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
きた。中から、タキシード、シルクハット、靴、その他付属品、ステッキに白い手袋まで
一揃い現れた。 「あなた、きてごらんなさい」 せつ子は青木に命じた。 「なにご....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
あやめがあの独楽を手に入れたのは、浪速高津の古物商からであった。それも孕独楽
一揃いとして、普通に買入れたのに過ぎなかった。その親独楽も十個の子独楽も、名工四....
「銀三十枚」より 著者:国枝史郎
婦マリヤ・マグダレナの笑い! 私は瞬間に退治られた。 数日経って松坂屋から、
一揃いの衣裳が届けられた。それは高価な衣裳であった。帯! 金具! 高価であった。....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
」と、足を止められますので、入らないといっては悪いと気が附いて、小さなお茶道具を
一揃い買ってもらいました。 「もっと何か」とおっしゃいます。 「また何か私の読め....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
類はすっかり荷物の中へ入れてしまって、どうも出すのに不便ですから、前大蔵大臣から
一揃えの法衣を借り、なお大臣から餞別として百ルピー戴きました。これはつまりこれま....