»
一撮
「一撮〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一撮の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
を芬とさせ、居間から顕われたのはお蔦で、艾はないが、禁厭は心ゆかし、片手に煙草を
一撮。抜足で玄関へ出て、礼之進の靴の中へ。この燃草は利が可かった。※と煙が、むら....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
何もかも全く悪くなってしもうた、全く悪くなってしもうた!」 侯爵は穏かに少量の
一撮みの嗅煙草を嗅いだ。そして、国家更生の偉大な手段となるべき、この自分という人....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
の田畑を有って居たが、其土は銭に化けて追々消えてしまい、日露戦争終る頃は、最早|
一撮の土も彼の手には残って居なかった。そこで草葺の家と一反の土とは、新に之を求め....
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
が香《こう》をつまんで香炉《こうろ》の裏《うち》へ燻《くべ》るのを間違えて、灰を
一撮《ひとつか》み取って、抹香《まっこう》の中へ打ち込んだ折には、おかしくなって....
「道標」より 著者:宮本百合子
とられた。それは生後百日記念、佐々伸子、と父の字で裏がきされている赤坊の伸子の第
一撮影からはじまった。そこには、ゴム乳首をくわえている幼い総領娘の手をひいた佐々....