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一文銭
「一文銭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一文銭の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
の二朱銀五個の始末である。小判だけを戻したのでは罪は消えない。小判でも二朱銀でも
一文銭でも、仏の眼から観れば同様で、たとい二朱銀一個でも、それを着服している以上....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
時ばかりは彼も大層よろこんでその一つを旨そうに食った。そうして、その礼だと言って
一文銭を平助に出した。もとより礼を貰う料簡もないので、平助はいらないと断ったが、....
「三人の相馬大作」より 著者:直木三十五
おばこ来もせで相馬の大作なんぞいかめ面《つら》。 「出てくれ」 と、一人が、
一文銭を、抛出《ほうりだ》した。女の子は、次の部屋へ唄って行った。 「ほほう、相....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
シャトーには
トー、トー、トー。
私が持つは、ひとりの神様、ひとりの王様、
一文銭に片々靴《かたかたぐつ》。
じゃこう草やら露の玉
朝早くから飲んだので....
「梟雄」より 著者:坂口安吾
一所不住は仏門の妙諦である。 彼は諸国をわたり歩き、辻に立って油を売った。まず
一文銭をとりだして、弁舌をふるうのである。 「およそ油を商う者は桝にはかって漏斗....
「織田信長」より 著者:坂口安吾
人を集めて、得意のオシャベリで嘘八百、つまりテキヤであるが、舌でだましておいて、
一文銭をとりだす。サア、サア、お立会い、ヘタな商人はジョウゴについで油をうる、腕....
「屋根裏の犯人」より 著者:坂口安吾
座敷を一廻り二廻り走り廻ったのちに、一人の人の袖口へ文をいれました。また藤兵衛が
一文銭を投げだして、 「餅かっておいで」と申しますと、鼠は
一文銭をくわえて床の間....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
たちが師匠|歿後早々取り出し調べて見ると、勘算してちょうど五十円ほどありました。
一文銭の五十円ですから、随分大した量、ちょっとどうするにも困るようなわけでありま....
「文化史上より見たる日本の数学」より 著者:三上義夫
通じていたとかいうが、当時の財政家たる彼にしては当然のことであろうし、また秀吉は
一文銭を障子の目に二倍しておくだけ、どうしたとかいう伝説もあり、曾呂利新左衛門が....
「随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
息子に会いまして、訊ねましたところが、何も記憶はないが、その時拾って帰ったという
一文銭を保存していると申しまして、此処に持参したものを貸してくれました。(青錆と....
「森の石松」より 著者:山中貞雄
けて来て、亭主に何か耳打して、一人は外を見張り、一人が二階へかけ上る。 石松、
一文銭をもてあそび乍ら見て居る。 〔註―今迄に書き落して居たが、これは石松のくせ....