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一族
「一族〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一族の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「忠義」より 著者:芥川竜之介
える覚悟をした。最後の手段と云うのは、ほかでもない。修理を押込め隠居にして、板倉
一族の中から養子をむかえようと云うのである。――
何よりもまず、「家」である。....
「水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
引ききりなしに渡り行くのである。十八を頭に赤子の守子を合して九人の子供を引連れた
一族もその内の一群であった。大人はもちろん大きい子供らはそれぞれ持物がある。五ツ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
満ち富貴……は弱った。 のみならず、子五人か、九人あるべしで、平家の一門、藤原
一族、いよいよ天下に蔓らんずる根ざしが見えて容易でない。 すでに過日も、現に今....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
・フェー(〔Santa Fe'〕)にいる、昔は戦争好きで今は平和なインディアンの
一族アビポン人(Abiponer)や、また南アフリカのブッシュメン族(〔Busc....
「紅黄録」より 著者:伊藤左千夫
十歳以上の老齢者五人の中の年長者であるということを、せめてもの気休めとして、予の
一族は永久に父に別れた。 姉も老いた、兄も老いた、予も四十五ではないか。老なる....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
男暢彦、三男昌彦、二女陽子ノ六名、恐レ乍大君ニ殉ズルコトヲ御許シ願フ次第也 一、
一族憤激シ、絶頂ニ在ルモ、倶ニ抱キ朗顔ヲ見交ハシテ、此ノ世ヲ去ル 魂魄此土ニ止....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
でしゅ。――国境の、水溜りのものでございまっしゅ。」 「ほ、ほ、印旛沼、手賀沼の
一族でそうろよな、様子を見ればの。」 「赤沼の若いもの、三郎でっしゅ。」 「河童....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
凡杯は――北国の産で、父も母もその処の土となった。が、曾祖、祖父、祖母、なおその
一族が、それか、あらぬか、あの雲、あの土の下に眠った事を、昔話のように聞いていた....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
え出てやる。てめえが県内に引廻されて首の無くなるのを見てやるから覚えていろ。一家
一族皆殺しだ。すぱり、すぱり」 趙家が掠奪に遭ってから、未荘の人は大抵みな小気....
「寡婦」より 著者:秋田滋
であったか、到底それは御想像もつきますまい。愛情というもののありと凡ゆる力、その
一族の狂熱という狂熱が、すべて、サンテーズ家の最後の人間であったその子の身に伝え....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
か知らないが、伊藤の屋号をやはり伊勢屋といったので推すと、あるいは主家の伊勢長の
一族であって、主人の肝煎で養子に行ったのかも知れない。 伊藤というはその頃京橋....
「活人形」より 著者:泉鏡花
われぬ。仮の叔父なる赤城の主人は大酒のために身を損いて、その後病死したりしかば、
一族同姓の得三といえるが、家事万端の後見せり。 叔母には下枝、藤とて美しき二人....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
て臥棺にして、長さ六尺、横二尺半、厚さ一尺くらいなり。地面は極めて深く掘り、一家
一族の棺を数重に合葬するなり。その地面の上に石碑をたて、これに埋葬せるものの名と....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
合の地主糾弾演説会である。二千人の聴衆を前にして、私は当時酒田に君臨していた本間
一族など地主の横暴を非難し、小作民解放を説く大熱弁? をふるった。ところが二階か....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
てをしかけた者があった。叔父は勿論むっとして肩越しに相手を振返ってみた。僕の一家
一族の内にもこの叔父程負けぬ気の強かった者はない。こういう叔父はこの時にも相手に....