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一日の長
「一日の長〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一日の長の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
た。
短くなってはいても、なんにもする事なしに一日を暮らすかと思えば、その秋の
一日の長さが葉子にはひどく気になり出した。明後日東京に帰るまでの間に、買い物でも....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ぞあけて見とれていたら、根こそぎ鼻毛を抜かれちまうぜ」 しきりとあいきょう者が
一日の長を誇って、いやに兄分風を吹かしているのを、右門はくすくすと笑いわらい聞き....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
期的に変化してはいるが、しかしいつもほんのわずかしかそれから離れない。』彼はまた
一日の長さが、耶蘇紀元前七二九年以来当時までの間に一〇〇分の一秒だけも変っていな....
「連環記」より 著者:幸田露伴
律の論、証解の談が互に交されていたろうことは想いやられる。勿論文辞に於ては寂心に
一日の長があり、法悟に於ては源信に数歩の先んずるものが有ったろうが、源信もまた一....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
っている、知っているなら話してくれないか」 「うむ、僕もよくは知らんが、君よりは
一日の長があるか知れん、知っているだけ物語って聞かそう。まず、君にも何かと縁故の....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
呼んでいた。
偽君子的なことでは、姉のジルノルマン嬢はイギリスの未婚婦人よりも
一日の長があったろう。彼女は暗闇《くらやみ》にまで押し進められた貞節であった。生....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
を博してあの盛況をみますのも、その根本的最大原因は何かというと、正札販売において
一日の長があったからであります。これは単に我が国のみではありません。米国の商店に....
「雁」より 著者:森鴎外
匠の隣に囲って置くのが末造だと云うことだけは知っていた。僕の智識には岡田に比べて
一日の長があった。 岡田に蛇を殺して貰った日の事である。お玉はこれまで目で会釈....
「瘠我慢の説」より 著者:福沢諭吉
に至りて城を枕に討死《うちじに》するのみ。すなわち前にいえるごとく、父母の大病に
一日の長命を祈るものに異《こと》ならず。かくありてこそ瘠我慢の主義も全きものとい....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
平らしかったけれども、未だ文章に就いて確かな自信がなく寧ろ私を以って作文の上には
一日の長あるものとしておったので大概私の指摘したところは抹殺したり、書き改めたり....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
したのも万更無理ではなかった。が、誰でも処女作を発表する時は臆病で、著作の経験上
一日の長ある先輩の教えを聞くは珍らしくない。ましてや謙遜な二葉亭は文章の造詣では....
「東洋文化史における仏教の地位」より 著者:高楠順次郎
ます。全体で漢文の研究はシナ人に一歩譲るような感じがしますが、仏教の教義問題では
一日の長を誇ることが出来るのである。それには仏教を正式に研究した人でなければ分ら....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
捨てなきように。地味な剣法にはございますが、それがしなど若年の剣よりも、どこかに
一日の長もあるように存じますれば」 と、称揚して、指南の勤務も、氏家孫四郎と、....
「三国志」より 著者:吉川英治
りませんか」 関羽には、時々、訓えられることが多い。やはり学問においては、彼が
一日の長を持っていた。 玄徳はいつも聴くべき言はよく聴く人であったが、今も、彼....
「日本文化の特殊性」より 著者:戸坂潤
上デモクラシーが極度に未発達であることに変りはないものの、云うまでもなく日本には
一日の長がある。だがにも拘らず日本の場合では、このデモクラシーの未発達が頭から非....