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一日中
「一日中〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一日中の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「母」より 著者:芥川竜之介
生《う》ぶ毛《げ》にも反射している。
午前十時と十一時との間、――旅館では今が
一日中でも、一番静かな時刻である。商売に来たのも、見物に来たのも、泊《とま》り客....
「或る女」より 著者:有島武郎
も葉子を自分の胸に引き締めた。葉子は広い厚い胸に抱かれながら、単調な宿屋の生活の
一日中に起こった些細《ささい》な事までを、その表情のゆたかな、鈴のような涼しい声....
「朱日記」より 著者:泉鏡花
ぬ。 そう言えば、全校の二階、下階、どの教場からも、声一つ、咳半分響いて来ぬ、
一日中、またこの正午になる一時間ほど、寂寞とするのは無い。――それは小児たちが一....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
まはこのところ持病の心臓病のためずっと家に引きこもっておられること、去る十三日も
一日中ベッドの上に寝ておられ、ぜったいに外出されたことはないし、外出がおできにな....
「海底都市」より 著者:海野十三
までと同じに、明日の午後七時に開封せよとの注意がしたためてあった。 僕はその日
一日中、あやしい手紙のことでいっぱいであった。夜になって僕はますます胸がくるしく....
「あのころ」より 著者:上村松園
滸伝だとか弓張月とかの本が来ていましたが、その中でも北斎の※絵がすきで、同じ絵を
一日中眺めていたり、それを模写したりしたもので――小学校へ入って間もないころのこ....
「米」より 著者:犬田卯
たが、あくまで白をきっている夫の態度には、ますます腹が立ってならなかった。その日
一日中、思い思いの仕事をして、夜も思い思いに過ごしたが、あくる朝になっても口をき....
「画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
浄化されて、今の境地が作り出されたのではないかと思われてなりません。 私の心は
一日中画のことでいっぱいです。夜は殊にそうでございます。私の一日のうちで、一番貴....
「余齢初旅」より 著者:上村松園
やはり熱がひかないので医者が来て、あたたかくして寝ているとよいというので、この日
一日中床についていた。その翌日は、幸いにも熱が下ったが、外へ出るのはひかえて、三....
「棲霞軒雑記」より 著者:上村松園
ぬまで精進しつづけてもまだ、とどかぬ遙かなものである。 画室に在るということは
一日中で一番たのしい心から嬉しい時間である。 お茶人が松風の音を聞きながらせま....
「縮図帖」より 著者:上村松園
女中さんたちをびっくりさせたものである。 京都の博物館へ元旦の朝から乗り込んで
一日中縮図していて係員を驚かせたりしたこともなつかしい。 縮図する私には盆も正....
「可愛い山」より 著者:石川欣一
した。 一夜をここで明かして、翌日は朝から大変な雨であった。とても出られない。
一日中、傾斜した岩の下で、小さくなっていた。雨が屋根裏――即ちこの岩――を伝って....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
と名づくべし。 高楼夾。 (高い建物が街路をはさんでたち、ために道は昼なお暗く、
一日中車馬が往来してかまびすしい。広々とした南半球の新世界に、どうしてこのような....
「透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
きつづけていたが、心の中では、ずっと男のことを考えつづけていた。 客の部屋は、
一日中ひっそりと静かだった。 夕方、とつぜん、れいの客の部屋から、ものすごい音....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
しか残らなかった。 中国人は日に二食である。これは発育ざかりの私にはこたえた。
一日中追い回されるので腹の減ることおびただしい。そこで目をつけたのは中国人の寝て....