一日千秋[語句情報] » 一日千秋

「一日千秋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

一日千秋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
いそうに、木村はサン・フランシスコから今ごろはシヤトルのほうに来て、私の着くのを一日千秋の思いで待っているだろうに、わたしはこんな事をしてここで赤い着物を着た男....
蘭学事始」より 著者:菊池寛
のを抑えることができなかった。彼は、ターヘルアナトミアを手にして以来、腑分の日を一日千秋の思いで待っていた。彼はターヘルアナトミアの絵図が、古人の諸説とことごと....
俊寛」より 著者:菊池寛
なことは、どちらでもよかった。それよりも彼は、自分が植えつけた麦が成長するのが、一日千秋の思いで待たれた。 麦の畑に生うる雑草を取ることは、彼の半日の仕事とし....
単独行」より 著者:加藤文太郎
びし、今度こそはほんとにお父さんを安心させようと決心した。そして休暇の貰える日を一日千秋の思いで待っていた。 六月も終り、故郷の町には川下祭という大祭のある一....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
だ。我事なれりと喜んだ渡辺刑事は油断なく浅田の行動を覗いながら、その日の来るのを一日千秋の思いで待ち焦れていた。 流石不敵の支倉も今は袋の鼠同様になった。水も....
小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
男様 ~~~~~~~~~~ (上略)近ごろは夜々御姿の夢に入り実に実に一日千秋の思いをなしおり参らせ候 昨夜もごいっしょに艦にて伊香保に蕨とりにまいり....
法窓夜話」より 著者:穂積陳重
は櫃の蓋を開くことさえもせずに、これを通過させるようになった。 マリア夫人が、一日千秋の思いをして待っていた逃走の機会は、今や次第に近づいて来た。夫人はその機....
近世快人伝」より 著者:夢野久作
いたものであるが、しかも、そうした不平士族の連中の中には西郷隆盛の征韓論の成立を一日千秋の思いで仰望していたものが少くなかった。祖先伝来の一党を提げて西郷さんの....
旅愁」より 著者:横光利一
来た。首でもかき取って来たような様子である。 「婆さんとうとう、貸してくれたぞ。一日千秋の想いを達した。これだ。」 塩野は人に知られぬようにあたりを見廻してか....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
んで風呂にも入れ、もう少し歩けたら、万難を排して国府津へ行き、この冬を過したいと一日千秋の思いです。寿江子が勉強を始めたらピアノの音とレコードとオルガンとで、あ....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
なお気もちでしょう。申しあげようもありません。此の上は、隆治さんの無事に還る日が一日千秋です。(在外邦人はみんな帰すそうです。八十万内地に戻るそうです。) と....
無人島に生きる十六人」より 著者:須川邦彦
った。 島を中心とした、まんまるな水平線に、ただ目をこらして、通りかかる船を、一日千秋の思いで待った。だが、船はいつ通ることか。一ヵ月後か、一年後か、あるいは....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
たのだ!」 「あっいけねえ、そいつあ大変だ! わっちも先生のおいでくださるのを、一日千秋で待っていやした。いやどうもとんだ間違いだ! 取り舵イイ」とばかり声を絞....
三国志」より 著者:吉川英治
× × × ここに夏口の玄徳は、以来、孔明の帰るのを、一日千秋の思いで待ちわびていたところ、きのうから季節はずれな東南風が吹き出したの....
私本太平記」より 著者:吉川英治
いので、鎌倉の府とちがい、わが家の領土へ入ったようなあたたかさだった。 「一同、一日千秋の思いでお待ちしておりました。まずは、み気色もうるわしく」 さっそく、....