一日延ばし[語句情報] »
一日延ばし
「一日延ばし〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一日延ばしの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
そして毎日くどくどと興録に葉子の容態を聞きただした。興録はいいかげんな事をいって
一日延ばしに延ばしているのでたまらなくなって木村が事務長に相談すると、事務長は興....
「星座」より 著者:有島武郎
え彼は毎日その計算にばかり熱中して、新井田氏が機械の製作に取りかかろうというのを
一日延ばしに延ばさせていた。始めの間こそは新井田氏もより進んだ発見が工作費用を節....
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
ても置かれまいと思いながらも、松の内は無論くるわへは行かれなかった。松を過ぎても
一日延ばしにきょうまで投げやって置いたのであった。 思えばいっそいい機会である....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
ら》えた。
一体は医者殿、手のつけようがなくって身の衰《おとろえ》をいい立てに
一日延ばしにしたのじゃが三日|経《た》つと、兄を残して、克明《こくめい》な父親《....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
。坂部さんには気の毒ですが、思い切って働いてみようという気も出ないので、かたがた
一日延ばしにもなってしまったのです。ところがあなた……。世の中というものは不思議....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
ってきた。もう一日、この手紙を続けて、鵜※を放すのを延ばそう。 マヌエラ、この
一日延ばしたことがたいへんな禍となった。といって、いま私が死のうとしているのでは....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
のと見えて、気持よく言いました、 「よろしい、最後の一夜を明かしましょう、出立は
一日延ばしてあげます」 「まあ嬉しい、嬉しい」 女は飛び立って悦びました。 ....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
いに当ってみると、夫婦で荷物を足もとに茫然街上に立つわけにもゆかないしするから、
一日延ばしに漫然と腰を据えていたので、そのまえにほかを探したらいいだろうというか....
「狼疾記」より 著者:中島敦
をあても無く想像して見るだけで、真正面からこれについて考える気力が無く、大掃除を
一日延ばしにして怠けている安逸さで、一日一日、それとの直面を惧れ避けているのであ....
「過渡人」より 著者:豊島与志雄
室の方へ帰っていった。 六 秀男が東京へ発つ日は、妙にうすら寒い日であった。も
一日延ばしてはと母から止められたけれど、予定があると云って彼はさっさと仕度をして....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
はない。そのうち必ず命を賭しての、出入り果し合いをすることとなろう。一日延ばせば
一日延ばしただけ、双方嫌な目をするばかりだ。……この機会に勝負をつけてしまおう。....
「決闘」より 著者:神西清
そのときポケットの中でふと手紙が指に触った。今日こそは読んでやろうと思いながら、
一日延ばしにして来た手紙である。今これを読んでやったら、女の注意がそれるだろう、....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
を惹かれるのは子供です。それも遅生れの末の子が心配になるのでした。それに引かれて
一日延ばしに日を送っていましたところ、或日の夕暮に食事の支度も出来て、糠漬を出そ....
「藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
とが度重なるようになっていた。が、彼は未だいいだろう、未だいいだろうと思いながら
一日延ばしのように、自分の仕馴れた喝采を獲るに極った狂言から、脱け出そうと云う気....
「俗臭」より 著者:織田作之助
に麦飯に塩鰯を食べるのが行事の一つと成っている。婚礼の日は節分だったから、つまり
一日延ばして売れ残りの安鰯で行事をすませた訳だ。が、この行事はその日のみに止らず....