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一昨年
「一昨年〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一昨年の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼」より 著者:芥川竜之介
とし》生れたの?」
「いいえ、去年。」
「結婚したのも去年だろう?」
「いいえ、
一昨年《おととし》の三月ですよ。」
彼は何かにぶつかるように一生懸命に話しかけ....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
んな話を思い出しながら、しばらくの間《あいだ》は不承不承《ふしょうぶしょう》に、
一昨年《いっさくねん》ある呉服屋へ縁づいた、病気勝ちな姉の噂《うわさ》をしていた....
「老年」より 著者:芥川竜之介
末座にすわっているのがこのうちの隠居であった。
隠居は房《ふさ》さんと云って、
一昨年、本卦返《ほんけがえ》りをした老人である。十五の年から茶屋酒の味をおぼえて....
「捨児」より 著者:芥川竜之介
「阿母《おっか》さんは今でも丈夫ですか。」
すると意外な答があった。
「いえ、
一昨年|歿《な》くなりました。――しかし今御話した女は、私の母じゃなかったのです....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
は水よりも軽いもんなんだね」 こういうことを話した清水も海軍将校になったのち、
一昨年(大正十三年)の春に故人になった。僕はその二、三週間前に転地先の三島からよ....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
いる仏舎利があるから、それを日本に納めて貰いたい」と行勝師に頼みました。行勝師は
一昨年帰って来てそれを陸海軍に納めたのであります。行勝師の話によると、セイロン島....
「絵本の春」より 著者:泉鏡花
りな話と思おうけれど、昔ばかりではないのだよ。現に、小母さんが覚えた、……ここへ
一昨年越して来た当座、――夏の、しらしらあけの事だ。――あの土塀の処に人だかりが....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
両手は十ウの爪紅は、世に散る卍の白い痙攣を起した、お雪は乳首を噛切ったのである。
一昨年の事である。この子は、母の乳が、肉と血を与えた。いま一樹の手に、ふっくりと....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
御斟酌下さろうかと思う、父母も親類も何にもない。 妻女は亡くなりました、それは
一昨年です。最愛の妻でした。」 彼は口|吃しつつ目瞬した。 「一人の小児も亡く....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
では聞いて、それは知っていらっしゃるかも知れませんが、何をいうんです。」 ――
一昨年か、一昨々年、この人の筆に、かくもの優しい、たおやかな娘に、蝦蟇の面の「べ....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
だまま。 生は東京で、氏素性は明かでない。父も母も誰も知らず、諸国漫遊の途次、
一昨年の秋、この富山に来て、旅籠町の青柳という旅店に一泊した。その夜賊のためにの....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
状があったと言うのでは決してない。 問題に触れるのは、お桂ちゃんの母親で、もう
一昨年頃|故人の数に入ったが、照降町の背負商いから、やがて宗右衛門町の角地面に問....
「小杉未醒氏」より 著者:芥川竜之介
一昨年の冬、香取秀真氏が手賀沼の鴨を御馳走した時、其処に居合せた天岡均一氏が、初....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
だてばよ。) (焼死んだ。) こっちも退った。 (菜売?……ッて) (おおよ。
一昨年ずらい。菜売の年増女さ、身体あ役に立たなくなったちで、そこな瓜番小屋へ夜番....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
まご紹介にあずかりました日本社会党訪中使節団の団長浅沼稲次郎であります。私どもは
一昨年四月まいりまして今回が二回目であります。
一昨年まいりましたときも人民外交学....