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一時
「一時〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一時の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「英雄の器」より 著者:芥川竜之介
え枉《ま》げると云うのですからな。現に今日の戦《いくさ》でもです。私《わたし》は
一時命はないものだと思いました。李佐《りさ》が殺される、王恒《おうこう》が殺され....
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
の笑う声がしています。
これにはさすがの髪長彦も、さては一ぱい食わされたかと、
一時は口惜しがりましたが、幸い思い出したのは、腰にさしていた笛の事です。この笛を....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
。あの女はこの半年《はんとし》ばかり、多少ヒステリックにもなっていたのでしょう。
一時はほとんど毎日のように、今日限り三味線を持たないとかいっては、子供のように泣....
「影」より 著者:芥川竜之介
一人も来なかったですか?」
「ええ、一人も。」
「君が監視をやめたのは?」
「十
一時二十分です。」
吉井の返答《ことば》もてきぱきしていた。
「その後《ご》終....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
代と色彩を異にしていたのは、この理想的な性情だけで、ここへ来ると彼はむしろ、もう
一時代前の政治的夢想家に似通《にかよ》っている所があったようです。
「その証拠は....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
線《しゃみせん》を弾《ひ》いたり踊ったりする、その割《わ》り前《まえ》の算段さえ
一時はお松には苦しかったそうです。しかし半之丞もお松にはよほど夢中になっていたの....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
所置ぶりには、不親切な所がいろいろある。現に今朝《けさ》なぞも病人にはかまわず、
一時間もお化粧《けしょう》にかかっていた。………
「いくら商売柄だって、それじゃ....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
夫の転任する度に、上海《シャンハイ》だの北京《ペキン》だの天津《テンシン》だのへ
一時の住いを移しながら、不相変《あいかわらず》達雄を思っているのです。勿論もう震....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
速上申書を出さなければならん。生憎《あいにく》乗客は残っていまいね?」
「ええ、
一時間ばかり前に立ってしまいました。もっとも馬ならば一匹いますが。」
「どこの馬....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
やつなんだ。」――そんな気も多少はしたのだった。
二
……
一時間ばかりたった後《のち》、手拭《てぬぐい》を頭に巻きつけた僕等は海水帽に貸下....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
でしょうか?――言うまでもなく、書生の遠藤です。 遠藤は妙子の手紙を見てから、
一時は往来に立ったなり、夜明けを待とうかとも思いました。が、お嬢さんの身の上を思....
「狂女」より 著者:秋田滋
り会った、たしかにそれと違いないと云う気がしたのだった。 と、僕には何もかもが
一時に腑に落ちた。それまで解くことの出来なかった謎がすらすらと解けていった。兵士....
「初雪」より 著者:秋田滋
ると、もの淋しい鴉の群はそこへ来て棲り、かしましく啼きたてる。こうして、かれこれ
一時間あまりの間、その鴉の群は梢から梢へ飛び移り、まるで喧嘩でもしているように啼....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
。」 また、提出者の話にも、ファラデーを推薦するのはよくないという事をデビーが
一時間も説いた。こんな風で、その頃のデビーとファラデーとの間はとかく円満を欠いて....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
投げだすし、インキ壺はひっくりかえる。椅子は投げたおすやらで、学校はふだんよりも
一時間も早く退けた。子供たちは小鬼の群のようにわっと飛びだし、野原で喚いたり騒い....