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「一時期〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

一時期の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
乞食学生」より 著者:太宰治
んないい言葉が言えないんだよ。」 何を言っても、だめである。私にも、この少年の一時期が、あったような気がする。けさの知識は、けさ情熱を打ち込んで実行しなければ....
茶の本」より 著者:岡倉覚三
盛んであった十九世紀には、人類のことを考えて個人を忘れる習慣が作られた。収集家は一時期あるいは一派を説明する資料を得んことを切望して、ただ一個の傑作がよく、一定....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
、人の反感を買わないのではあるまいか。一郎はずっと幼時、かの女が病弱であったある一時期、小児寄宿舎にやられていた。そこで負けず嫌いな一郎は友達と喧嘩するときよく....
鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
、日を経ればその旅愁は却ってその勝景への追憶を深からしめる陰影となる。これが或る一時期に麻川荘之介氏という優れた文学者に葉子が真実接触した追憶の例証とも云えよう....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
出たのも、その志士もどきの熱情にもとづく。もとよりこの事件は半蔵が生涯の中のある一時期を画したほどであるから、その素志を継続してくれる子があるなら、彼とても心か....
十五年間」より 著者:太宰治
幸福にならなかった。私のこれまでの生涯を追想して、幽かにでも休養のゆとりを感じた一時期は、私が三十歳の時、いまの女房を井伏さんの媒酌でもらって、甲府市の郊外に一....
握った手」より 著者:坂口安吾
キミはこのへんで本と眼鏡に袂別すべきじゃないか。キミの一生にとって、それはどうせ一時期のものにすぎないのじゃないか」 「そんなこと、どうして云えるのよ」 「待ち....
百万人の文学」より 著者:坂口安吾
年間に一千万人以上の人が一本ずつ買ったと見ていい。 「アドルフ」は傍系の文学で、一時期に流行することがなく、細々といつもだれかしらに読まれている性質のパッとしな....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
を立派に新築し、地つづきの裏店を買いとって、離れと、大きな土蔵をつくった。これを一時期にして、彼は土蔵の二階に居間をつくって、金庫と帳簿を抱えて住みつくことにな....
秘伝の名訳」より 著者:岸田国士
大活劇を語り聴かしているという風な書物である。原作はいろいろな意味で世界演劇史の一時期を画した名戯曲であるが、フランス十八世紀がこの作品を生んだことによつて、演....
「心理試験」序」より 著者:小酒井不木
江戸川乱歩は、日本近代探偵小説の鼻祖であって、従ってこの創作集は日本探偵小説界の一時期を画する尊いモニュメントということが出来るであろう。 (『心理試験』、大正十四年七月、春陽堂)....
明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
において然《しか》るのである。それで、明治二十三年は諸種の方面からみて、哲学史上一時期を劃していると思われる。 それで、明治の哲学の第二期においては哲学を研究....
子規居士と余」より 著者:高浜虚子
のであった。前にも書いたことがあるように須磨の静養は居士の生涯に於ける最も快適な一時期であったので、如何に機嫌の悪い時でも、どうかして話の蔓をたどってそれを須磨....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
本主義にすすみ、林内閣の祭政一致の宣言から国民精神総動員へと急激に傾きつつあった一時期である。その線に沿って思想や研究やの統制は、きおい立つ力で強められていった....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
は遂にこの横隊戦術から蝉脱する事が出来なかった。 主将は戦役(戦役とは戦争中の一時期で通常一カ年を指す)開始前又は特別な事情の生じた時、「会戦序列」を決定する....