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「一本〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

一本の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
浅草公園」より 著者:芥川竜之介
からまわり、コック部屋の裏を現わしてしまう。コック部屋の裏には煙突《えんとつ》が一本。そこにはまた労働者が二人せっせとシャベルを動かしている。カンテラを一つとも....
犬と笛」より 著者:芥川竜之介
いていますと、たちまち自分の目の前へ、青い勾玉《まがたま》を沢山ぶらさげた、足の一本しかない大男が現れて、 「お前は仲々笛がうまいな。己《おれ》はずっと昔から山....
神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
見つめた。そこには四五本の棕櫚《しゅろ》の中に、枝を垂らした糸桜《いとざくら》が一本、夢のように花を煙らせていた。 「御主《おんあるじ》守らせ給え!」 オルガ....
河童」より 著者:芥川竜之介
がら、(鉄格子《てつごうし》をはめた窓の外には枯れ葉さえ見えない樫《かし》の木が一本、雪曇りの空に枝を張っていた。)院長のS博士や僕を相手に長々とこの話をしゃべ....
彼 第二」より 著者:芥川竜之介
上に腹這《はらば》いになり、妙な興奮を鎮《しず》めるために「敷島《しきしま》」に一本火をつけて見た。が、夢の中に眠った僕が現在に目を醒《さ》ましているのはどうも....
或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
手が憎《にく》くなった。そこで甚太夫がわざと受太刀《うけだち》になった時、奮然と一本突きを入れた。甚太夫は強く喉《のど》を突かれて、仰向《あおむ》けにそこへ倒れ....
煙管」より 著者:芥川竜之介
》をひそめたのである。 加州一藩の経済にとっては、勿論、金無垢の煙管《きせる》一本の費用くらいは、何でもない。が、賀節《がせつ》朔望《さくぼう》二十八日の登城....
温泉だより」より 著者:芥川竜之介
就中《なかんずく》妙に気の毒だったのはいつも蜜柑《みかん》を食っていなければ手紙一本書けぬと言う蜜柑中毒の客の話です。しかしこれはまたいつか報告する機会を待つこ....
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
探っていた。 「そら、そこに東枕にてもよろしいと書いてありますよ。――神山さん。一本上げようか? 抛《ほう》るよ。失敬。」 「こりゃどうも。E・C・Cですな。じ....
馬の脚」より 著者:芥川竜之介
い。……」 半三郎のこう喚《わめ》いているうちに下役はズボンの右の穴へ馬の脚を一本さしこんだ。馬の脚は歯でもあるように右の腿《もも》へ食《く》らいついた。それ....
海のほとり」より 著者:芥川竜之介
高い砂山の上へ行った。それから貸下駄を臀《しり》の下に敷き、敷島《しきしま》でも一本吸おうとした。しかし僕のマツチの火は存外強い風のために容易に巻煙草に移らなか....
犬養君に就いて」より 著者:芥川竜之介
である。こう云う柔かい美しさは一寸他の作家達には発見出来ない。僕はそこに若々しい一本の柳に似た感じを受けている。 いつか僕は仕事をしかけた犬養君に会った事があ....
江口渙氏の事」より 著者:芥川竜之介
江口は決して所謂快男児ではない。もっと複雑な、もっと陰影に富んだ性格の所有者だ。愛憎の動き方なぞも、一本気な所はあるが、その上にまだ殆病的な執拗さが潜んでいる。それは江口自身不快で....
「菊池寛全集」の序」より 著者:芥川竜之介
と云う意味であろう。この限りでは菊池寛も、文壇の二三子と比較した場合、謂う所の生一本の芸術家ではない。たとえば彼が世に出た以来、テエマ小説の語が起った如きは、こ....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
丸い帽子をかぶり、手入れも調教も碌にしてない暴れ小馬にまたがって、手綱もつけず、一本の綱であやつっていた。彼は学校の入口まで駈けこみ、イカバッドに、宴会か「縫物....