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「一本歯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

一本歯の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
》の画解《えとき》が、子供の想像に都合の好いような説明をいくらでも与えてくれた。一本歯の下駄《げた》を穿《は》いたまま、小さい三宝《さんぼう》の上に曲《しゃ》が....
時間」より 著者:横光利一
番を決めにかかろうとすると八木が十八|拳《けん》で決めようといい出した。それじゃ一本歯で来い、いや軟拳にしろといい合っているうちにもう片方の二人から、は、は、よ....
琴のそら音」より 著者:夏目漱石
を十枚積んで見ねえか、積めたら安宅鮓《あたかずし》を十銭|奢《おご》ってやるぜ」一本歯の高足駄を穿《は》いた下剃《したぞり》の小僧が「鮓《すし》じゃいやだ、幽霊....
麻雀殺人事件」より 著者:海野十三
フラと室を出ていった。 「いやに病人ばやりだな」と星尾が呟いて、意味なく笑った。一本歯の抜けたような松山の空席が、帆村の眼に或る厭な気持をよびおこさしめた。それ....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
に連れて扉が開いた。扉の向こうに龕がある。龕の中に人がいる。頭巾を冠り行衣を着、一本歯の鉄下駄を穿き、片手に錫杖を握ったところの、それは気高い老人であったが、し....
めでたき風景」より 著者:小出楢重
振るのが彼の特長であった。九里丸はきらびやかな殿様風で万事が華やかだった。時には一本歯の塗りの高い下駄を履いて、素晴らしい衣裳で大ぜいが三味線や鉦で流して行くの....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
、吉原で遊び、その足で駿府に帰る奴がある、という者がある。 信州の戸隠山から、一本歯の足駄で、平気で江戸まで休まずにやって来る者がある、という。 そんな雑談....
丹下左膳」より 著者:林不忘
んちゃんこを一着におよんで、床屋の下剃り奴《やっこ》のはくような、高さ一尺もある一本歯の足駄をはいて、 「ごめん――」 太いしゃ嗄《が》れ声でいいながら、将軍....
生死卍巴」より 著者:国枝史郎
見送るようにした。 月の光をヒラヒラと縫って、髪を垂らして、御幣を持って、脚に一本歯の足駄をはき、胸へ円鏡をかけている。衣裳といえば白衣であって、長い袖が風に....
自警録」より 著者:新渡戸稲造
かのように思う人も少なくない。髪《かみ》を長くしてみたり、赤い着物で外出したり、一本歯の下駄を履《は》いたりすることは、馬鹿でもやり得ることで、心の独立を崇《あ....
挿話」より 著者:徳田秋声
うのやけれど、すいた水仙のところなんか、何だか変なもんや。私いくつ時分だったか、一本歯をはいて、ここの板敷を毎日毎日布を晒らしてあるいていたもんや」お絹はそう言....