一本立ち[語句情報] » 一本立ち

「一本立ち〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

一本立ちの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
電報」より 著者:黒島伝治
。」 「ふむ。」と、源作は考えこんだ。 源作は、十六歳で父親に死なれ、それ以後一本立ちで働きこみ、四段歩ばかりの畠と、二千円ほどの金とを作り出していた。彼は、....
籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
少数の子分もみんな失望して散った。さらでも孤立の次郎左衛門は、いよいよほんとうの一本立ちになってしまった。彼の影はいよいよ寂しくなった。 「いっそ、この方が旦那....
世相」より 著者:織田作之助
、右の眼尻の下った顔はもう二十九だというのに、二十前後のように見える。いつまでも一本立ち出来ず、孤独な境遇のまま浮草のようにあちこちの理髪店を流れ歩いて来た哀れ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
。猫婆なんていうおふくろは生きていねえ方が却って好いかも知れねえ。お前もこれから一本立ちになってせいぜい稼いで、みなさんのお世話で好い嫁でも持つ算段をしろ」と、....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
のぼって或る人相見のお弟子になっていたのですが、それがだんだんに上達して、今では一本立ちの先生になって諸国をめぐりあるいている。人相を見るばかりでなく、占いもた....
遺書」より 著者:尾崎秀実
りますが、ただ参考までに申したというところです。将来平和な時期が来て、我が楊子が一本立ちが立派に出来てその上でお母さんと一緒にお父さんのお墓も作ってやろうという....
二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
一二年の童児であったろう。此の時代、文人の収入を得る道が乏しく、文人が職業として一本立ちする能わず、如何に世間から軽侮せられ、歯いされなかったかは今の若い作家た....
未来の地下戦車長」より 著者:海野十三
っぱな工業が起るわけがない。はじめは苦しいし困るかもしれないけれど、日本は日本で一本立ちのできる独得の工業をつくりあげる必要がある。それは一日も早く、とりかから....
現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
は坂本龍馬晩年の年齢でござんす。天草さんの御先祖は十六歳の御活躍でござんす。アア一本立ちがしてみたい、とアタシも人並みに風雲録を夢みておりましたが、昨夜はからず....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
んだが、考えてみれば自分は親のスネをかじる書生の身であるから是非もない。卒業して一本立ちになったらきっと妻に迎えるからと、二人は逢う瀬をたのしんでいた。 とこ....
落語・教祖列伝」より 著者:坂口安吾
なところもあって、働きのある男を見込んで聟にとり、城下町へ店でも持たせて、末長く一本立ちができて子孫が栄えるようにさせたいものだと思っている。 ところが娘のオ....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
嘆きのタネである。 外国種の犬はたいがい利巧で、訓練もきくし、主人をはなれて、一本立ちの行動ができるものだ。そのうちでもコリーは特に利巧な犬であるから、これと....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
翕々亭と称していた。 その頃二葉亭は学校を罷めてしまって、これから先きどうでも一本立ちにならねばならない場合であった。親代々家禄で衣食した士族|出の官吏の家で....
」より 著者:カフカフランツ
供の遊びみたいでしたわ。ブルンスウィックがやってきて、父に暇をくれといいました。一本立ちしたいのだ、とあの人はまったく本気でいいました。りこうな人で、好機を利用....
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
のもあれば、近い親類同士で、さらに縁を重ねる者もある。いずれにしても遠い祖先から一本立ちのままのものはない。ことにそれが文明人には決してない。他と交通の少い、ア....